“ウラ”から脱出した32歳の“天才”は読まない男

[ 2009年5月27日 08:34 ]

 4割を超える打率を維持する楽天の草野が、25日の横浜戦で規定打席に到達した。右脚の故障により開幕に間に合わず、これまでは打撃成績に名前が載らなかった“ウラ首位打者”晴れてリーグトップの表舞台に躍り出た。117打数47安打の4割2厘で、2位井口(ロッテ)の3割5分6厘に大差をつけている。

 故障が癒え戦列に加わるやいなや、安打を量産し始めた。今季初出場の西武戦(4月12日)で4打数4安打し「いい形で入れたので、気分的に楽になった」。18日からは、球団記録となる21試合連続安打をマークした。
 オープン戦の際に、ロッテの西岡に頼んでバットを譲り受けた。重さは同じだが、グリップが細く重心が先にある。このバットがしっくりきた。
 野村監督いわく、「天才」。もっとも、完全な褒め言葉ではない。読みではなく感性で球をとらえるスタイルを、やゆする意味合いも含まれている。だが、バットコントロールに天性のうまさがあるのは事実。草野自身は「あまり深く考えているわけじゃないよ」と、ひょうひょうと話す。
 本職は内野手だが、中村紀の加入で慣れない左翼を守ることが多い。「太ももにくる。疲れはたまってきている」と言う苦労もある。
 シーズン終了時に規定打席をクリアすれば、プロ4年目で初めてとなる。高打率をどこまで維持できるか。「まあ、1日1本のつもりでやっていくよ」。32歳の“天才”に気負いはなさそうだ。

続きを表示

2009年5月27日のニュース