痛みの残る手で…不屈ガッツ弾だ!

[ 2008年11月5日 06:00 ]

<西・巨>8回無死、小笠原が右越えソロホーマーを放つ

 【巨人6-4西武】巨人・小笠原は痛みの残る左手で、しっかりと押し込んだ。1点差の8回、先頭で打席に入った。2―1からの5球目、小野寺の内角146キロ直球に思い切り踏み込み、右翼席へ叩き込んだ。一塁で福王ベースコーチと力強いハイタッチ。興奮が収まった試合後は素っ気ないコメントが並んだ。

 「後ろにつなぐ。その一言。(球種は)分からない。どこに行ったか見てない。左手?ノーコメント。プレーできるから出ている」

 第2戦で左腕・星野から左手に死球を受け途中交代。打撲と診断されたが、3日は打撃練習を回避した。それでもこの日は当たり前のようにスタメン出場し、1点が欲しい場面で当たり前のように本塁打を打った。

 代償を負った死球で、打撃の調子を測っていた。2日の試合後、病院から戻りホテルに戻ったのは、日付が変わる直前だった。チームスタッフと食事をしながら、こう漏らした。「内角に踏み込めているから打撃自体はいい。踏み込めていなかったら避けられていた」。フルスイングができる秘密は、強い踏み込みにあった。

 10月25日。試合前のミーティングでナインから誕生日を祝う拍手が起こった。例年はシーズンオフだったこの時期に、仲間と野球ができる喜びがあった。35歳になった日に、チームはシリーズ進出を決めた。そしてラミレスとのアベック弾は今季負けなしの17連勝。「ラミレスが後ろにいるのは心強い。記録より勝つことが大事」と言った。

 「みんなが1つになっている」と小笠原は強調した。CSでも中日のチェンから左手に死球を受けたが、痛みを抱えながらチームをけん引した。原監督は「きのうはバットを振れない状況だった。非常に強い選手。素晴らしいです」。絶賛するしかなかった。

 ≪ラミ2戦連発!石井一は元チームメート≫第2戦でサヨナラ弾を放ったラミレスが、2戦連発で貴重な追加点をもたらした。4点リードの6回。厳しい内角スライダーに振り負けず、左翼ポール際に運んだ。
 「ストライクゾーンに来た球は何でも振ろうと思った。(石井一は)チームメートだったから対戦していなくても球筋は分かっていた」。初回には左中間二塁打。ヤクルト時代の同僚である左腕に2長打を浴びせ、してやったりの表情を浮かべた。
 左翼守備に不安を抱えるだけに、DHでの活躍には「メンタルの準備はできていた。毎試合DHなら楽だね。守備の心配をしなくていい」とニッコリ。頼れる4番が敵地にも勢いを持ち込んだ。

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2008年11月5日のニュース