岩村 頭に刻んだ!レイズ歴史的1勝!!

[ 2008年10月4日 06:00 ]

<レイズ・ホワイトソックス>試合前、クラブハウスで頭を刈り込み、今まで以上に攻撃的なモヒカンに生まれ変わった岩村

 【レイズ6-4ホワイトソックス】レイズの岩村明憲内野手(29)が2日(日本時間3日)、ホワイトソックスとの地区シリーズ開幕戦で2安打1打点1得点と活躍。初めてポストシーズンに臨むチームに白星をもたらした。岩村らしい積極的な走塁も披露して会心の逆転勝利。自身が発端となったソフトモヒカンは、今やチームを超えて町中にまで広がっている。決戦を前に“ハードモヒカン”に変身した岩村が、世界一に向けて最高のスタートを切った。

 わき起こる歓声に、岩村は右手を高々と上げて応えた。“ミラクルレイズ”の勢いはそのままだ。初のポストシーズンでも強さを見せつけた。
 「今年の試合を象徴するというか、やってきたものをそのまま出せた。本当に強いチームの試合運び。勢いだけで片づけたくない」
 そう振り返った岩村のバットが反撃の号砲を打ち鳴らした。逆転された直後の3回無死一塁だ。サインは「打て」。2球目の142キロ直球を「強くシバき上げた」。中堅手の頭を越す打球に快足を飛ばして三塁打。1死後、アイバーの浅い左飛に「自分の判断で行った。外に逃げながらいけばセーフという自信しかなかった」。捕手のタッチをかいくぐる好スライディングで同点の生還。続くロンゴリアの勝ち越し弾後は主導権を渡さなかった。岩村は先頭の5回には右前打で出塁して2得点につなげた。過去の地区シリーズで突破率・673を残す先勝。球団史に刻む1勝は背番号1が呼び込んだ。
 練習前、ロッカーで頭髪をハードモヒカンに刈り込んだ。「ソフトモヒカンを始めたのは僕だけど、周りがハードになるにつれて自分がモヒカンじゃなくなっていくような感じで」。岩村をマネた頭髪がチームに広がり、快進撃のシンボルとして町中にもあふれたが「凄くかっとうもあった。僕も一児のパパなんで」と“ハード化”には抵抗があった。しかし、断られるのを覚悟で夫人に相談すると「やったほうがいいんじゃないの」とあっさり賛同。「やるしかない。ファンとの一体感を持ちたかった」と決心した。正面ゲート前には3日前のイベント同様、無料のモヒカン刈りコーナーが設けられて150人を超すファンが観戦前に刈り上げた。本拠地で3万人以上動員した試合は今季21勝2敗の高勝率。超満員3万5401人の熱狂的声援を力に変えた。
 「あすの投手はまた違う。気を引き締めて。でも悪い風は吹いていない」。米国先住民のモヒカン族では戦士だけに許された髪形。頼れる“モヒカン隊長”が10月もサクセスストーリーを紡ぎ続ける。

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2008年10月4日のニュース