イチロー3安打!“張本超え”に意欲

[ 2008年8月22日 06:00 ]

ホワイトソックス戦の7回、遊撃内野安打を放つマリナーズのイチロー。この試合3本目の安打

 【マリナーズ3-15ホワイトソックス】マリナーズのイチロー外野手(34)が20日(日本時間21日)のホワイトソックス戦で3打数3安打の固め打ち。今季166安打としてリーグトップのペドロイア(レッドソックス)に1本差と迫った。張本勲氏(本紙評論家)の持つ日本安打記録3085本には残り36試合で49安打。一時は絶望視されていた今季中の“張本超え”にも意欲を見せた。

 イチローのバットが止まらない。初回、先発フロイドの外角低めへのカーブをとらえ、投手の足元を抜く中前打で5試合連続安打。5回は外角スライダーを狙い通り二塁ベース付近に転がす二塁内野安打で出塁する。7回は2番手H・ラミレスの外角直球にしんを外されたが、ボテボテの打球に遊撃手が追いついた時には一塁を駆け抜けていた。

 「安打数は1番がいいな~と思ってるけどね。とりあえず上にいる人間は意識していますよ」。ようやくトップのペドロイアに1本差に迫ったリーグ最多安打へ、色気を隠そうとはしなかった。2試合ぶりの3安打で、打率も・312に上げリーグ8位へ浮上。大リーグ記録に並ぶ8年連続200安打には残り36試合で34安打と、初めて1試合1本ペースを切った。

 本領発揮の天才は、さらにその先の目標まで見据えていた。「そもそも非現実的だとはずっと思ってないけどね」と、今季中の日本安打記録(3085安打)更新さえも可能だと言い切った。前半戦をスローペースのまま終え、来季への持ち越しが濃厚とみられていた金字塔。だが、7月29日に日米通算3000安打達成後は、打率・380と一気に加速し、あと49本に迫ってきた。イチローは自己最多の月間56安打(04年8月)をはじめ、8年間で月間40安打以上を18度も記録。シーズンを1カ月以上残し、十分射程圏内にある。

 今年1月の自主トレ公開時に「今年中に日本選手が立ったことのない場所に行きたいと思っている」と“張本超え”を宣言して臨んだ一年。6連敗となったチームはリーグ最低勝率に沈むが、イチローただ一人だけは最後までファンを飽きさせることはしない。

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2008年8月22日のニュース