決勝弾の李スンヨプ 別名兵役免除ブローカー

[ 2008年8月22日 20:24 ]

日本―韓国 8回に勝ち越しの2ランを放ち、大喜びの李スンヨプ

 【北京五輪 野球】22日の北京五輪の野球準決勝で、日本に逆転勝利した瞬間、韓国選手らは涙を流し、こぶしを突き上げた。ライバルに勝ったうれしさだけではない。同国の兵役法に基づき五輪メダリストやアジア大会優勝者に適用される、約2年間の兵役免除が確実となったからだ。

 「合法的な兵役免除ブローカー」。韓国メディアは、8回に勝ち越し2点本塁打を放った李スンヨプ選手(巨人)を称賛。代表選手の若手14人に「兵役上の恩恵というプレゼントをもたらした」と報じた。

 聯合ニュースによると、李選手自身はひじの痛みで兵役を免除されたが、2000年のシドニー五輪の3位決定戦で松坂大輔投手(当時、西武)から決勝二塁打を放ち、銅メダル獲得。02年の釜山アジア大会優勝などにも貢献し、後輩の兵役免除に一役買ってきた。
 「軍隊の問題も解決したし、これで野球に集中できる」。20代前半に競技活動の停止を余儀なくされる兵役は、選手にとっては死活問題。韓国では04年、プロ野球選手による大規模な兵役逃れも問題化した。李選手は試合後、「後輩たちの涙を見て胸がじーんとした」と目を潤ませた。
 ある韓国人記者は「兵役免除がかかっているから、韓国選手は必死なんだ」と指摘した。
 関係者によると、このほか今大会のメダル獲得で兵役免除となるのは、バドミントン混合ダブルスの金メダリスト、李龍大選手やテコンドー68キロ級優勝の孫泰珍選手ら。(共同)

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2008年8月22日のニュース