石井一100勝達成も「興味ない」

[ 2008年3月30日 06:00 ]

<西武・ソフトバンク>5回表2死1、2塁、本多の打球にファーストを指差す石井一

 【西武10―4ソフトバンク】数字にこだわらない男は、お立ち台でも普段とまるで変わらなかった。日本通算100勝。それでも西武の石井一は「どんな感じといっても普通ですけど。まあ30…何歳だっけ?35歳なりにしっかり投げました」。実は34歳の左腕。ベテランらしい味のある投球だった。

 「立ち上がりが悪くて…。でも、味方がすぐ大量点を取ってくれたんで、その点だけは守ろうと思った」。2回を終え3点リード。3回からはセットポジションに変え、より速いテンポでの投球を心掛けた。3回2死の多村から4連続三振。7回で9安打されながら2失点に抑え、自主トレ中に宣言していた3月中の100勝を達成した。
 「でも、何年もやってれば100勝ぐらいできるでしょ。あんまり興味ない。野球をやめるまではいい投手でいたい。それだけです」。それでもファンはその価値を知っている。試合後に売り出された記念ボール100個(4000円)は、わずか15分で完売。当初、サインは印刷する予定だったが、石井一本人が「気持ちを込めたいから」と1個1個に直筆でサインした。新天地。すでにチームとも、ファンとも一体となっている。
 「35歳?それは今年(9月の誕生日で)なる年齢です。ホントに数字は気にしない。気になるのは血糖値ぐらいかな」。ウイニングボールは観戦に来ていた家族に手渡した。しかし、自宅にも過去の記念球は数少ない。石井一が欲しいのはファンの喜ぶ顔、そしてチームの勝利だけだ。

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2008年3月30日のニュース