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三宅 悲願の金へ!決勝時刻に伯父が「重量挙げの神様」に祈祷

[ 2016年7月27日 09:00 ]

<重量日本代表出発>リオに出発する三宅(右)と八木

 リオデジャネイロ五輪重量挙げ女子48キロ級代表の三宅宏実(30=いちご)が26日、成田空港から現地へ向け出発した。自身4度目の五輪となるが、3月に痛めた腰の状態がいまだ万全ではないことを明かした。そんな中、8月6日(日本時間7日)の競技時間に合わせ、伯父で64年東京、68年メキシコ五輪金メダリストの義信氏(76)が、東京都青梅市にある御岳山の武蔵御嶽(みたけ)神社で祈祷(きとう)を上げてもらうことが判明。神様の力も借りて、悲願の金を目指す。

 常に誠実で正直な三宅らしい言葉だった。現在の状態は「90%くらいまではきている」。そして、金メダルを期待する質問を投げかけられると「心の底ではもちろん(金を)獲りたいなという気持ちはあるんですが、今の状況では厳しい。残りの日数でしっかり調整し、正々堂々とした姿を皆さんにお見せしたい」と精いっぱいの意欲を示した。

 今年3月に左膝の外側と腰を痛め、その後は満足に練習できない状態が続いた。昨年11月の世界選手権(米ヒューストン)で3位に入って代表は内定していたものの5月の全日本選手権は4位と低迷。国内で行ってきた練習では「スナッチ84キロ、ジャーク107キロ。109とか110キロは失敗している」状態で、銀メダルを獲得した12年ロンドンの記録「スナッチ87キロ、ジャーク110キロ」に6キロも及ばない。減量も1キロ残っており、楽観できる状況ではない。

 それでも希望は捨てない。出発前、義信氏からは「自信を持っていけ。オーバーワークになりすぎるから、本番にとっておけ」と金言を授かったそうで、さらに心強いのが伯父の“神頼み”だ。決勝は日本時間7日午前7時に開始予定。そのタイミングで御岳山に上り、祈祷を上げてもらって地球の裏側へとパワーを送ってくれるという。

 「あとは神頼み」と腰の不安を認めた父で女子代表監督の義行氏(70)によれば、御岳山には兄弟が現役当時から折に触れてお参りしていると言う。12年ロンドン五輪前にも参拝し、今年の元日には三宅も初詣に訪れた。三宅一族計5個の五輪メダル獲得を後押ししてくれた「重量挙げの神様」の力に、今回も期待した。

 ≪三宅一族の五輪メダル≫ 義信氏が60年ローマで銀、64年東京、68年メキシコの連続金メダルで計3個獲得。義行氏がメキシコで銅メダルを獲得。宏実が12年ロンドンで銀メダルを獲得している

 ▽武蔵御嶽神社 東京都青梅市にあり奥多摩山系に属する標高929メートル御嶽山の山上に位置する。中世から山岳信仰の霊場として栄えており毎年元日には初日の出を見る多くの参拝客が訪れる。宝物殿に所収されている赤糸威大鎧(あかいとおどしのおおよろい)と金覆輪円文螺鈿鏡鞍(きんぷくりんえんもんらでんのかがみくら)は国宝。

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2016年7月27日のニュース