沙羅 連勝ストップ…開幕5戦目、5カ月ぶりに“黒星”
ノルディックスキーW杯ジャンプ女子個人第5戦
(1月4日 ロシア・チャイコフスキー)
高梨沙羅(17=クラレ)の連勝がついに止まった。1回目は98・5メートルで6位と出遅れ、2回目も同距離で合計243・1点の3位。8月のグランプリ・フランス大会以来5カ月ぶりの“黒星”を喫した。100メートル、101・5メートルを飛んだ地元ロシアのイリナ・アブバクモワ(22)が初優勝。渡瀬あゆみ(アインファーマシーズ)が25位、山田優梨菜(長野・白馬高)が27位。32位の吉泉賀子(日本空調)38位の岩渕香里(松本大)、39位の茂野美咲(CHINTAI)は2回目に進めなかった。
どこまでも伸びていくはずの高梨の飛行曲線が、最後に勢いを失った。1回目は98・5メートルで6位と出遅れ、2回目も同じ距離で100メートルに届かなかった。飛び終えた時点ではトップに立ったものの、アブバクモワとフォクトに抜かれ、表彰台だけは辛うじて確保した。
「ジャンプのタイミングが合わないことが課題。これから直していかないといけない。ソチ五輪までまだ期間があるので、今回出た課題をしっかり改善していきたい」
開幕から続いた連勝は4でストップし、女子W杯の単独最多勝となる14勝目もお預けとなった。国際舞台でのV逸は5カ月ぶり。W杯ではサラ・ヘンドリクソン(米国)に敗れた昨季最終戦以来10カ月ぶりだ。練習では他を圧倒する103メートルを飛んで好調ぶりをアピールしていたが、本番ではわずかに歯車が狂った。優勝した前日にも「結果的にはよかったけど内容には満足してない」と空中姿勢や踏み切りでの課題を感じていたが、そうした不安が結果となって表れた。
高梨を破ったアブバクモワは昨季は総合41位の目立たない存在だった。しかし、自国開催のソチ五輪が近づくにつれて力をつけてきた。夏のグランプリではたびたび1桁順位に入り、今季は開幕戦から全て表彰台。ついにW杯初優勝を手にした。2日連続2位と健闘したフォクトも昨季までは表彰台経験が1回あるだけの選手だった。
女子ジャンプが初採用されるソチ五輪に向け、各国とも強化を進めて競技レベルが上がり選手層は厚くなりつつある。女王として受けて立つ立場の日本の17歳。今度は高梨にとっての自国に戻り、札幌、蔵王と続く4連戦で仕切り直しを図る。
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