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上川 弱気返上だ!「今はただ、勝ちたい」

[ 2012年6月27日 06:00 ]

柔道男子公開練習で、篠原監督(左)から手荒い指導を受ける上川

 合宿を公開した柔道男子の100キロ超級代表・上川大樹(22=京葉ガス)は、弱気返上を約束した。

 最重量級のホープにようやく変心の時が来た。五輪前最後の強化合宿。上川は「今は(練習でコーチに)追い込まれて、自分で追い込んでる。前は不安が大きかったけど、今は前に出る柔道ができているかな、と思う」と疲れと充実感の交じった表情で話し「今はやるしかないと思う」と続けた。

 世界選手権無差別級決勝で、現在最強といわれるリネール(フランス)を判定で下し、世界王者になったのは2年前。だがそれ以降は国際大会のVはなく、国内の代表選考会2大会も優勝できないままで、“消去法代表”とも言われた。3日の実業団体でも一本負け。吉村和郎強化委員長に「褒めてもしかってもダメ。あんなヤツは見たことがない」と半ばさじを投げられた。

 だが、個別に敢行したものも含め1カ月以上続く合宿生活で、22歳は確実に変化していた。「ケガしたくないな」だった合宿への気持ちが「自分のために練習したい」に変化。「五輪の金メダルを獲れば人生が変わる」と軽かった口調は「今はただ、勝ちたい」に変わった。

 「金メダルは見えない」と弱気発言が飛び出した広島での合宿から1カ月足らず。「弱い自分もまだいるけど、追い込んでいけばそれが自信になると思う。(金メダルは)少しだけ」と欲も出てきた。本番1カ月前に“開き直り”の心境に達しようとしている22歳には、大舞台で真の才能を開花させる雰囲気が漂っている。

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2012年6月27日のニュース