日本 オーストラリアに快勝!五輪に望みつないだ
バレーボール男子ロンドン五輪世界最終予選兼アジア予選第5日 日本3-0オーストラリア
(6月7日 東京体育館)
2大会連続の五輪出場を目指す世界ランキング15位の日本が同22位のオーストラリアに3―0でストレート勝ち。3勝2敗の勝ち点8としてアジア勢3番手の4位に浮上し2位以下のアジア最上位での五輪出場権獲得に望みをつないだ。9日に同17位のプエルトリコと対戦する。
強行出場した手負いの司令塔がロンドン行きへの望みをつないだ。セッターの宇佐美主将は前日の中国戦を負傷欠場した。直前練習で相手のスパイクが右目を直撃し「顔面打撲による内出血」を負ったためだ。だが、「ピントは合っていなかったけど、ぼやけているの(症状)はほぼ取れた」とわずか1日で復帰。第1セットから福沢、清水、山村らと抜群のコンビネーションを発揮した。2メートル以上の巨漢がそろうオーストラリアのブロック得点をわずか5に抑え、負ければ五輪出場が絶望的となる窮地からチームを救い出した。
中国戦では、急きょ出場したセッター近藤とエース福沢らのコンビが合わずに完敗。その夜、宇佐美の脳裏をよぎったのは、4年前の屈辱。前回の北京五輪予選は不調でレギュラー落ち。ベンチを温める日が続き、五輪出場が決まっても心から喜べなかった。「負けたらロンドンに行けなくなる」。中国戦後に病院に出向いて処置を行い、ホテルに帰ってきたのは7日午前0時。寝る間も惜しんで右目の治療に専念したのは後悔したくなかったからだ。
9日の格下プエルトリコ戦にストレート勝ちすれば、他チームの結果にかかわらず、10日の最終戦イラン戦まで五輪出場の可能性は残る。「2つしっかり勝って自分たちの手でロンドンをつかみたい」と植田監督。奇跡を起こすには、4年間の全てを懸けて残り2試合を戦うしかない。
▽日本の五輪出場条件 2位に勝ち点4差をつけている1位セルビアは格下ベネズエラ戦を残し1位通過が濃厚。日本はアジア最上位での五輪出場を狙う。残り2試合1勝1敗でも出場権獲得の可能性があるが、現実的には連勝が必要。アジア3位の日本は同1位のイランと勝ち点3差だが、直接対決を残しているため自力で逆転が可能。ただ勝ち点1差の3位オーストラリアとは直接対決がないため、逆転には相手の取りこぼしを待つしかない。日本がプエルトリコ、イランにストレート勝ちした場合、オーストラリアが1つでも勝ち点を落とせば、セット率などにより日本がアジア最上位となる。
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