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尚子 不安抱えて臨む最終選考会

[ 2008年2月28日 06:00 ]

笑顔で帰国した高橋尚子

 元女王に不安あり――。00年シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子(35=ファイテン)が27日、成田空港着の航空機で中国・昆明での高地合宿から帰国。初の中国合宿の成果は自身も分からず、北京五輪代表最終選考会の名古屋国際女子マラソン(3月9日)へ不安をのぞかせた。今後は練習拠点の千葉で最終調整し、3月7日に名古屋入りする。

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 決戦を11日後に控え、高橋が約2カ月ぶりに日本の地を踏んだ。昨年12月25日に自身初の中国・昆明合宿に突入。当初は1月中旬に帰国する予定だったが、変更して走り込みを続けてきた。故障したわけではない。30キロ、40キロの距離走も「数えられないくらい」行った。それでも、高橋の表情はどこか曇っていた。
 「今までやってきた練習と違うので比べようがない。成果がどう出るか、知りたいのは自分自身。実際、未知ですね」
 これまで高地合宿は米コロラド州ボルダーで行ってきたが、昨春の視察で好感触を得て、他のランナーも利用する昆明での合宿を決意した。1日に70キロも走り込む日があれば、標高3200メートルの麗江にも足を延ばした。コースで有力選手とすれ違い、刺激も受けた。一方で食あたりで下痢になり、旧正月のため練習ができずスケジュールに狂いが生じるなど完ぺきだったわけではない。
 北京切符をかけた勝負の名古屋国際が06年11月の東京国際以来、1年4カ月ぶりの実戦。レース勘にも不安があるが「どちらが良かったかは結果次第。選んだ道は正しいと思っています」と言い切った。代表争いは土佐礼子が内定し、野口みずきも確実。一時は崖っ縁に立たされたが、大阪国際の日本人トップ・森本が2時間25分34秒と平凡なタイムに終わり、追い風は吹いている。「優勝しないと選ばれない。夢をあきらめずにいれば、かなうんだってことを伝えられるようなレースをしたい」。不安材料を跳ね返し、北京への道を切り開く。

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2008年2月28日のニュース