インディ500で2位のディクソンが当惑 佐藤を猛追しながら“イエロー”でレース終了

[ 2020年8月24日 10:00 ]

壁に激突したピゴットのマシン(AP)
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 今年のインディ500で、終盤に先行していた佐藤琢磨(43=レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)を視野に入れながら、予期せぬクラッシュで追い抜くチャンスを失ったニュージーランド出身のスコット・ディクソン(40=チップ・ガナッシ・レーシング)は不満を募らせた。200周中111周までトップを走っていたが、残り15周に全車がタイヤ交換を終えたところで佐藤が再びトップ。そして残り5周となったところで佐藤のチームメートでもあるスペンサー・ピゴット(26)が側壁とピットレーンの入り口に激突し、路面にマシンの破片が飛び散った。

 ディクソンはレースが一時中断となる“レッド”が宣告されると思っていたが、主催者側は「ペースメーカーを入れて各車の隊列を整えて“グリーン”にしてリスタートするには残っている周回(4周)が少なかった」として「イエロー・コーション」のままチェッカーフラッグ。ディクソンにはクラッシュさえなければ勝機があっただけに「レッドにするべきだった。納得することが難しいレースだ」と表情を曇らせた。

 これに対して佐藤のチームオーナーでもあるボビー・レイホール氏は「仮定の話をするのは意味がない。佐藤が勝ったということが現実なのだ。イエローのままのフラッグはこれが初めてではない(6年ぶり)」と正当な勝利を主張。「どんなレースにも混乱はつきものだ」と、フィニッシュ直前のクラッシュもレースの一部であることをアピールしていた。

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