VW不正ガソリン車に波及 C02排出でも問題発覚

[ 2015年11月5日 01:07 ]

 ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は3日、最大約80万台の車両について実際よりも低い二酸化炭素(CO2)排出量を当局や消費者に示す新たな不正が見つかったと発表した。このうち、9月に明らかになった窒素酸化物(NO2)排出量では不正が見つかっていなかったガソリン車が約9万8000台を占めたことが4日分かった。VWは今回発覚した不正対応の費用を約20億ユーロ(約2700億円)と予測しており、経営をさらに圧迫するのは必至だ。

 今回発覚した不正は、排ガス規制逃れ問題に関連して進めている社内調査で判明した。排ガス規制逃れの対象はこれまでディーゼルエンジン車だけだった。自動車で主流のガソリン車も不正対象だったことはドイツのドブリント運輸相が4日、明らかにした。

 ドイツの自動車税はCO2排出量によって税額が異なるため、ドブリント氏は消費者ではなく、VWに税の不足分の支払いを求めるための法案を検討していると述べた。

 ドイツのメディアによると、新たな不正はVWとグループ会社のアウディやセアト、シュコダにも及ぶ。VWは調査を続けると同時に、関係当局と対応を協議するとしている。

 ミュラー会長は今回の不正について「大変遺憾だ。引き続き事実関係の解明と透明性の確保に努める」と表明した。

 VWは排ガス規制逃れで約1100万台に上る対象車のリコール(無料の回収・修理)などの対策費用として既に約67億ユーロを計上した。今後、各国の制裁金や顧客への賠償金といった費用がさらに膨らむ見通しとなっている。

 ロイター通信によると、対象はVW「ポロ」や、アウディ「A1」の排気量1400CCのガソリン車。日本へ輸出されたものが含まれるかどうかは不明。(共同)

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2015年11月5日のニュース