スポンサー離れの危機救う?!アロンソV
F1日本GPは12日、富士スピードウェイで決勝(67周)を行い、4番手スタートのフェルナンド・アロンソ(27=ルノー)が混乱のレースを制した。前戦シンガポール(決勝9月28日)に続く2連勝で、通算21勝目をマーク。PPスタートのルイス・ハミルトン(23=マクラーレン・メルセデス)はレース序盤の接触が響き、12位に終わった。
05、06年の年間王者アロンソが貫禄の走りで復活を印象づけた。有力ドライバーが後方に沈む波乱の展開の中で、2位に5秒以上の差をつける圧勝劇だった。06年第6戦スペインGPから第9戦カナダGPまで4連勝して以来2年ぶりの連勝。アロンソは「素晴らしい勝利だった。4番手スタートから勝てるとは思わなかった。チーム全員が惜しみない努力をした結果だ」とスタッフと喜びを分かち合った。
レースは序盤から大混乱となった。スタートに失敗したPPのハミルトンが1コーナーでライコネンを強引に抜きにかかり、2人はコースオフ。2周目にはマッサとハミルトンが接触。アロンソは18周目のピットインからコースに戻った際にクビツァの前へ出ると、落ち着いた走りで逃げ切った。昨年の日本GPではリタイアで入賞が17戦連続で途絶えただけに、そのリベンジも果たした。
昨年はマクラーレンの同僚ハミルトンとのあつれきもあってタイトルを逃し、今年からルノーへ2年ぶりに復帰した。しかし、戦闘力の低いマシンで第14戦までは表彰台に立てなかった。「シューマッハはベネトンで2度タイトルを獲った後、フェラーリに移って5年間はタイトルを獲れなかった。僕はまだ2年で、時間はたっぷりある」。スタッフを激励してマシンの開発を進め、2連勝につなげた。
チームにとっても大きな勝利だ。メーンスポンサーはオランダの保険会社「ING」。売上高1970億ドル(約20兆円)で世界最大だが、世界的な金融危機のあおりを受け、ルノーはスポンサー存続の危機に立たされている。しかし、アロンソがシーズン終盤に連勝したことで「来季の資金援助に名乗りを上げる会社が出るだろう」とF1関係者。本人は去就について「シーズンが終わってから決めたい」と慎重だが、ルノー残留は決定的。日本での快走は来季以降の王者奪回への足掛かりともなった。
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