6度目PP!ハミルトン最年少王者へ加速

[ 2008年10月12日 06:00 ]

ポールポジションを獲得しコバライネン(左)、ライコネン(右)と観客の声援に応えるマクラーレン・ハミルトン

 F1日本GP公式予選(11日 富士スピードウェイ)が行われ、現在総合首位のルイス・ハミルトン(23=マクラーレン・メルセデス)が3戦ぶり今季6度目(通算12度目)のPPを獲得した。富士で2年連続PPのハミルトンに対し、年間王者争いをしているフェリペ・マッサ(27=フェラーリ)は5番手。ハミルトンは12日の決勝で日本GP2連覇を果たせば、F1史上最年少の年間王者獲得に王手をかける。

 午前中の雨もやみ、晴れ間がのぞく中で行われた公式予選。路面がほぼ乾いた予選最終ラウンド(Q3)の終了間際、ハミルトンが最速タイムを叩き出した。「チームが必死にマシン開発をしてくれたおかげで、素晴らしい走りができた。空は青く、運転中に富士山が見えた」。富士で2年連続ポール・ツー・ウインへ向け、天候と同じく“視界良好”を口にした。
 余裕があるのは、年間王座を争う宿敵マッサが5番手に沈んだのが大きい。昨年は同僚アロンソ(現ルノー)との関係が悪化し、王座争いでは“援護射撃”を受けられなかったが、今年はコバライネンとの関係が良好。そのコバライネンがQ3の最終アタックでマッサを抜いて3番手に入ったため、決勝では宿敵の“壁”になる可能性が高い。スタートさえ決まれば独走も期待できる。
 富士で唯一の課題も克服した。ハミルトンは荒々しいドライブで、タイヤの摩耗が激しい。ブリヂストンタイヤ開発責任者の浜島裕英氏は「フロントタイヤに重さを残しながらそのままカーブするので(高速コーナーの)100Rを乗り越えられるかがキーポイント」とタイヤへの負担を心配していた。しかし、予選のパフォーマンスを見る限り心配はなさそうだ。
 マクラーレンにとって富士は相性のいいサーキットだ。F1初開催の76年はハントが3位に入りドライバーズタイトルを獲得。翌77年はハントが優勝し、30年ぶり開催の昨年もハミルトンが制した。「決勝は良い戦略を立て、トップでフィニッシュしたい」。マッサとのポイント差は7で、日本GP2連覇で10ポイントを稼げば年間王者が見える。23歳の天才ドライバーは、昨年1ポイント差で逃した王座へ一気に王手をかけるつもりだ。

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2008年10月12日のニュース