浜田剛史氏　村田引退にメッセージ「一戦ごとに課題をクリアしていった」

村田諒太（右）と浜田剛史氏
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　村田を初めて見たのはロンドン五輪前のプロとアマの合同練習だった。アマでこれほどボディーを打つ選手は珍しいと思ったが、実力ある選手がゴロゴロいるミドル級では既にゴロフキンが世界王者に君臨しており、プロ転向時に「村田は世界王者になれますか」と聞かれても「なれる」と断言できなかった。運も必要な厳しい階級だと知る関係者の方がプロ転向に反対していたと記憶している。

　考えてボクシングをする選手だけに試合中に考えすぎ、迷いながら戦っている時期もあった。ただ、打ち合えば強いから、打ち合える体勢に持っていくことを意識させ、一戦ごとに課題をクリアしていった。最初の世界戦でダウンを奪い、初めて通用する自信がついたのではないか。

　80年代にレナード、ハーンズ、ハグラー、デュランが激闘を繰り広げた伝統の階級で村田が成し遂げたことは時間がたてばさらに評価されるはず。これほどの実績を残したのだから、今後もボクシング界に貢献してくれることを願っている。（帝拳ジム代表、元WBC世界スーパーライト級王者）