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4団体統一戦へ井上尚弥が公開練習 W杯日本代表に「刺激を受けた。自分も日本中を盛り上げる」

[ 2022年12月7日 19:30 ]

プロボクシング・世界バンタム級4団体王座統一戦 ( 2022年12月13日    東京・有明アリーナ )

サンドバッグを叩く井上尚弥(大橋ジム提供)
Photo By 提供写真

 バンタム級史上初の4団体王座統一を目指すWBAスーパー&WBC&IBF統一世界同級王者・井上尚弥(29=大橋)が7日、横浜市内の所属ジムで公開練習を行った。代表取材により報道陣の人数を制限する中で、6日に来日したWBO同級王者ポール・バトラー(34=英国)のジョー・ギャラガー・マネジャー兼トレーナー、元WBA世界スーパーバンタム級王者スコット・クイッグ氏ら陣営3人陣営が練習を視察。ギャラガー氏はインスタライブで井上が声を出しながらサンドバッグを叩くシーンを公開し、ツイッターには井上、父・真吾トレーナー、大橋ジムの大橋秀行会長による質疑応答の場面を映し出した。

 井上は約1時間の練習を行い、シャドー、ミット打ち、ロープ跳びで汗を流した。減量対策で通常の暖房に加え、ジム内には新たにストーブも入った。

 井上の一問一答は以下のとおり。

 ――バトラーが来日しました。現在の心境は。

 「もう、来日していよいよだなと気が引き締まりましたし、写真を見る限り、体調とコンディションがよさそうなので、あと1週間、しっかりとお互いに仕上げて試合当日を迎えたいと思います」

 ――バトラー戦のイメージは完成しましたか。

 「もうどう闘うのかは何となく想定できているので。試合当日のリングで向かい合って、あとは駆け引き、自分の直感で闘っていこうと思っています」

 ――11月28日のスパーリング打ち上げ以降、マスボクシングなど実戦に近い練習はしましたか?

 「マスボクシングと、昨日(5日)は拓真とスパーリングに近い、ほぼスパーリングを8ラウンドやりましたね。(パンチを)当てて、今回はかなり最後まで動いて仕上げています」

 ――減量面は。

 「減量も順調に進んでいて、あと1週間切っているので、微調整の段階にきています」

 ――長いスパーリングを解禁し、疲労も出たと聞く。調整の変更、途中で調整のペース変更をしたりしたのか。

 「特にないですね。計画通りに進んでいます」

 ――ロサンゼルス合宿で大橋会長から「さらに強くなった」という話があった。本人としては思い当たる部分はあるか。

 「やっぱり環境を変えてトレーニングしたのが一番大きいです。その中での自分の感覚だったり、ボクシングに対する、本当に“感覚”です。そのあたりがすごく伸びたなと思います」

 ――ロス合宿での気づき、収穫は。

 「トレーニングの内容どうこうではないです。環境を変えたくて行ったということなので」

 ――現地の練習パートナーではバトラー対策になる人。

 「対策とか、このトレーニングの目的として行っていないのでいないです」

 ――長いラウンドのスパーを続け、何か新たなボクシングは見せられそうか。

 「前回のドネア戦というのは、KO決着という強さだけが際だった試合になりましたけれど、今回のバトラー戦は高い技術を持った選手なので、技術戦など最近見せられていないテクニックの高い試合を見せられるのではないかなと思います」

 ――4団体統一を成し遂げたらご褒美は?

 「ないですね。ここはあくまでも通過点として考えているので、勝ったらどうとか考えていないです。すぐに、その先の試合に向けて出発していきたいと思います」

 ――八重樫トレーナーの下でのフィジカルトレーニングメニューの変化、井上選手自らメニューについて要望することは。

 「ひとまず、昨年11月からスタートした(八重樫氏の)フィジカルというのは、このバンタム級で闘うためのフィジカルトレーニングなので変えることなく、今はトレーニングを行っています」

 ――4団体統一は日本初、アジア初、バンタム級初、4本のベルト全KO奪取など数多くの記録が懸かっている。意気込みは。

 「この試合というのはそういう意味を持つ、いろいろな記録も懸かる試合になると思いますが、それはあくまでも記録であって、ここが自分のゴールではないです。この試合はバンタム級の最終章という位置付けであり、スーパーバンタム級で闘う上でのスタートになると思います。危なげなくしっかりと圧倒するパフォーマンスで勝ちたいと思います」

 ――4団体統一へ、今までと違う高揚感はあるか。

 「やっぱり、バンタム級で4年間闘い、バンタム級で闘うのが最後なのかなと思うと、今まで以上に気持ちも乗ります。また、スーパーバンタム級に転向していくというアピールをしていかなくてはいけない試合だと思います。より一層、気合は入ります」

 ――サッカー日本代表がW杯で躍進した。試合を見て刺激はあるのか。

 「そうですね、全試合をフルでみられた訳ではないですが、報道であったり、ハイライトだったりを目にしてスポーツというものがファンに与える力は凄いなと思いました。自分自身、刺激を受けた試合になりました。これに続いて、自分も、この日本中を盛り上げられたらと思います」

 ――サッカーW杯日本代表の「このシーン」というのはあるのか。

 「最後の試合では、PK戦で負けましたけれど、そこの勝負の、本当に1ミリ単位の世界で闘っているのだなというところに刺激を受けましたね」

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2022年12月7日のニュース