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尚弥の視界から“蒸発”!?カシメロ サウナで整わず…違反発覚でWBO王座剥奪へ

[ 2022年4月21日 05:30 ]

防衛戦出場を禁止されたカシメロ
Photo By スポニチ

 WBO(世界ボクシング機構)は19日、世界バンタム級王者ジョンリール・カシメロ(33=フィリピン)が22日に英リバプールで予定していた防衛戦への出場を禁止すると発表した。英国ボクシング管理委員会の医療ガイドラインに違反する「サウナを使用しての減量」が発覚したもので、代わりに暫定王座決定戦が行われる。WBAスーパー&IBF統一同級王者・井上尚弥(29=大橋)との統一戦計画もあったカシメロは、王座剥奪を免れない状況となった。

 カシメロは規定違反を自ら“公開”してしまった。5度目の防衛戦のために英国入り後、サウナを使用する映像を自身のYouTubeチャンネルにアップ。ボクサーの健康管理に厳格な英国の管理委員会は脱水症状のリスクを伴うサウナによる減量を禁じており、証拠映像を入手後、出場不許可をWBOへ通達した。WBOもカシメロの出場を禁止し、対戦相手だったWBO1位バトラー(英国)と4位サルタン(フィリピン)が暫定王座決定戦を行うと発表。

 カシメロ陣営が規定を知らなかったのか、軽率な映像公開だったのかは不明だ。だが、バトラーとの防衛戦が直前でキャンセルとなったのは、体調不良を訴えて前日計量に姿を見せなかった昨年12月に続いて2度目。バトラーは「クソ野郎がまたやりやがった」とツイッターで罵倒した。

 カシメロは12月の件では王座剥奪を免れていた。ウイルス性胃炎などの診断書を提出し、WBOが正当な理由と認めたためで、20年4月に米ラスベガスでの統一戦が予定(コロナ禍で中止)されていた井上尚弥は「一気にコイツへの興味がなくなった。減量苦で胃腸炎て…ダセェやつ」とツイッターで批判していた。

 WBOは今回も即王座剥奪とせず、48時間以内に理由を提出するよう求めたが、12月の問題後には「いかなる理由でもバトラーとの再戦で戦えなければ王座を剥奪する」と声明を発表済み。井上らを散々挑発してきたトラブルメーカーは、サウナ利用という思いもよらない理由で、ビッグマッチの舞台から“蒸発”することが濃厚となった。

 【カシメロの試合中止トラブル】

 ▽井上尚弥 20年1月、WBA・IBF・WBO3団体王座統一戦を4月25日に米ラスベガスで行うと発表も新型コロナウイルスの影響で延期(のちに中止)。

 ▽ノニト・ドネア 21年6月、8月14日の対戦相手がリゴンドー(キューバ)からWBC王者ドネアに変更と発表。しかし、ドネア陣営がカシメロのドーピング登録手続きの遅れを指摘し、カシメロがマネジャー兼務のドネア夫人の態度を批判するなど対立。リゴンドー戦に再変更。

 ▽ポール・バトラー 21年12月11日にドバイで対戦予定もカシメロが前日計量に現れずキャンセル。減量苦が指摘されたが、ウイルス性胃炎で入院していたと後日明かした。

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