竹原慎二氏 9日統一戦・村田へガチンコエール 勝ちにいくんじゃ!ゴロフキンと「打ち合うべき」
【世紀の一戦 俺の目線 第1R】WBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太(36=帝拳)とIBF世界同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(39=カザフスタン)の王座統一戦は9日、さいたまスーパーアリーナで開催される。歴史的一戦の実現に日本のミドル級を彩ってきた男たちは何を思い、何を期待するのか。連載「世紀の一戦 俺の目線」第1回はミドル級で日本人初の世界王者となった竹原慎二氏(50)がエールを送った。
1995年12月19日、日本ボクシング史上最重量となるミドル級で世界王者が誕生した。重い扉を開いたのは当時23歳、世界初挑戦の竹原だった。
体格的に劣る日本人には世界王座獲得どころか挑戦さえも難しいと言われていた時代に、下馬評を覆して未踏の階級で日本人の可能性を示した。竹原氏は「俺でも世界王者になれたんだから、村田は“自分もなれる”って思ってたんじゃないかな」と冗談っぽく話すが、扉を開けたからこそ続く道はできた。
13年8月にプロに転向した村田は17年10月にミドル級で日本人2人目の世界王者となる。その後、陥落と返り咲きを経て、念願だったゴロフキンとの大一番を迎える。竹原氏は「自分らの時代からしたら、夢のまた夢みたいな試合。金メダル+プロになってからの頑張り…そういう積み重ねが運も引き寄せた。テレビ中継ではなく、こういうシステム(ネット配信)だからできる試合だし、時代にも恵まれたってことだね」としみじみと話す。
勝敗の行方については「(村田が勝つのは)難しいんじゃないかな」と予想する。ただし、同じ日本人として心から応援している。「ガンガン打ち合うべき。しっかりガードして頭を振って手数を出す。良い右のパンチを持っているんだから、どんどん出して、そこからボディーとか。攻めるしかない」とアドバイス。「こんなチャンスをもらったんだから、リングに立つだけじゃなく、勝ちにいかなくちゃダメ。ファンを喜ばせるような試合をしてほしいね」と期待した。
◇竹原 慎二(たけはら・しんじ)1972年(昭47)1月25日生まれ、広島県出身の50歳。89年に沖ジムからプロデビューし、同年全日本ミドル級新人王。日本、東洋太平洋タイトルを獲得し、95年にホルヘ・カストロ(アルゼンチン)に挑戦し、3―0判定勝利でWBA世界ミドル級王座を獲得。96年のウィリアム・ジョッピー(米国)との初防衛戦で敗れ、その後網膜剥離が判明して引退。現在は竹原慎二&畑山隆則ジム会長。
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