×

ウエルター級は34歳“オールドルーキー”の平安山太樹 ボクシング新人王西軍代表の12人が決定

[ 2021年11月14日 18:52 ]

各階級の21年度新人王西軍代表(前列左から)ミニマム級の初田翔、ライトフライ級の神垣拓磨、フライ級の森野大地、スーパーフライ級の山下陸、バンタム級の平井乃智、スーパーバンタム級の平野岬(後列左から)フェザー級の岩下千紘、スーパーフェザー級の山名生竜、ライト級の伊集院嵐、スーパーライト級の山下玄輝、ウエルター級の平安山太樹、ミドル級の宮本康平
Photo By スポニチ

 プロボクシングの新人王西軍代表決定戦が14日、エディオンアリーナ大阪第2競技場であり、全12階級で来年2月の全日本新人王決定戦に出場する選手が決まった。

 ウエルター級は、33歳だった昨年9月にプロデビューした“オールドルーキー”の平安山太樹(へんざん・たいき、34=ナカザト)が豊中勇左(25=ワイルドビート)に2回2分19秒、TKO勝ち。「ホッとしています」と頬を緩めた。

 相手は自身より9センチも高い1メートル81のサウスポー。距離感が非常につかみづらい難敵だ。「嫌ですけど、最近は長身サウスポー(との対戦)が続いたので。ちょっと慣れました」。初回はジャブを突きながらプレスをかける展開。相手の右ジャブで左目尻を切られても冷静で、間合いをつかんだ2回に攻勢を強めた。左ボディーを効かせてコーナーに追い込み、返しの右フックでダウンを奪う。再開後は一気にたたみかけ、右ストレートで2度目のダウンを奪い、レフェリーストップを呼び込んだ。

 沖縄県浦添市出身。那覇工でボクシング部に所属し「(最高成績は)県大会優勝ぐらいです」。アマ戦績は6勝4KO4敗。卒業後は自衛隊へ。そこでは日本拳法に励み、自衛隊員による階級別の大会で約100人中2位や3位という好成績を収めていたという。

 地元の沖縄へ転勤後に「プロでボクシングをやりたい」という夢がふくらんだ。妻に相談すると、それまでのパート勤務から正社員となり“一家の大黒柱”という立場を引き継いでくれた。自身は今年3月末で自衛隊を退職し、高齢者向け配食サービスの仕事をしながら競技に軸足を置く生活となった。

 中2を筆頭に小5、小3年と3人の子供に恵まれた。「もう手がかからなくなった」ことが30歳過ぎでプロボクサーに転身できた理由の一つ。小5の息子とは一緒にジムで汗を流している。「チャンピオンになって、ベルトを巻いて、背中を見せたいんですよ」。格好いい姿を子供たちの目に焼き付けたいと必死でサンドバッグを叩く日々だ。

 「目標はチャンピオン。そのために目の前の目標は全日本新人王です」

 日本ボクシングコミッションが定めたルールで、ボクサーは原則37歳未満という年齢制限がある。タイトルホルダーなどは健康状態や活動状況により“定年”延長される。残された時間は多くないだけに、全日本新人王獲得による日本ランク入りはタイトル挑戦への近道。がむしゃらになるのも当然だ。

 各階級の西軍代表は次のとおり
 ミニマム級 初田翔(寝屋川石田)※敢闘賞受賞
 ライトフライ級 神垣拓磨(井岡)
 フライ級 森野大地(フュチュール)
 スーパーフライ級 山下陸(六島)
 バンタム級 平井乃智(寝屋川石田)
 スーパーバンタム級 平野岬(三松スポーツ)※技能賞受賞
 フェザー級 岩下千紘(駿河男児)
 スーパーフェザー級 山名生竜(HKスポーツ)
 ライト級 伊集院嵐(SFマキ)
 スーパーライト級 山下玄輝(結花)
 ウエルター級 平安山太樹(ナカザト)
 ミドル級 宮本康平(真正)※MVP受賞

続きを表示

2021年11月14日のニュース