中谷潤人「元気もらえた」 熱海土石流被害地区のジムの子供と“合同練習”
プロボクシングWBO世界フライ級王者・中谷潤人(23=M.T)が14日、相模原市の城山湖周辺などでボクシングスクールFist(フィスト)の子供たちと合同で走り込みを行った。
FiStは7月に土石流被害に遭った静岡県熱海市の伊豆山地区にあり、ジムには直接の被害はなかったものの、被災地域の規制線内に位置し、会員に被災した人もいたという。中谷は昨年2月に伊豆山地区で合宿を行った縁があり、被災直後には自ら義援金を送り、SNSを通じて広く支援を呼び掛けた。
今回の“合同練習”はFiSt出身で、中谷と同じM.Tジムに所属する斎藤哲平(21)が橋渡しとなって実現。10数人いるジュニア選手の中から、ともに小学6年生の山下瞬君、石川創琉(そうる)君の2人が参加。さすがに世界王者と同じメニューとはいかなかったものの、高低差250メートルの坂道ランニングを体験。練習の最後には30秒間のマスボクシングで手合わせもした。山下君は「中谷選手は「速いし、優しいし、カッコいい」と感激。石川は「中谷選手みたいになりたいと思った」と憧れの眼差しで見つめた。
中谷は「子供たちと一緒に走れて良い刺激になった。喜んでもらえて僕も嬉しかったし、元気をもらえた。僕が活躍すれば、もっと喜んでもらえると思うので、頑張ろうという気持ちになりました」と笑顔を見せた。
走り込みは年内に希望する次戦に向けて心身の「スイッチを入れる」ためのもの。13日から始め、この日は午前中に坂道上り下りで計13キロ走り、午後は400メートル×10本、200メートル×13本のダッシュと徹底的に追い込んだ。先週からスパーリングも開始しており、「いつGOサインが出ても大丈夫なように準備したい」と表情を引き締めた。