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交通事故から復活した平野和憲 東日本新人王予選でプロデビュー「今、やりたいことを」

[ 2020年8月17日 17:30 ]

<東日本新人王予選>前日計量をクリアした平野和憲(KG大和ジム提供)
Photo By 提供写真

 プロボクシングの東日本新人王予選(18日、後楽園ホール)の前日計量が17日、東京都文京区の日本ボクシングコミッション事務局で行われ、12選手全員がクリアした。平野和憲(31=KG大和)は今回がプロデビュー戦。リミット(57.1キロ)を300グラム下回る56.8キロで計量をパスし、「まず自分の実力を出すことが第一。ジムのみなさんに協力してもらった練習の成果を出したい」と抱負を語った。

 立教大入学後にボクシングを始め、主将も務めたが、卒業後は広告代理店に就職したため、1度はボクシングから離れた。保健体育の教員を目指すために退職。大学の先輩である水谷直人(KG大和)の誘いもあってジムに通い始めたが、悪夢のような出来事に襲われた。2017年11月、職場からの帰宅途中に軽トラックにはねられたのだ。「気がついた時には病院のICU(集中治療室)のベッドの上でした。23メートル飛ばされたらしいです」。肋骨を12本、左腕も骨折するの重傷だった。

 一命を取り留めた平野は「プロになろうか迷っていたけど、あの事故で人間いつ死ぬか分からないと思った。今、やりたいことをやり切ろうと思った」と本気でプロを目指すことを決意。事故から5カ月で練習復帰し、昨年12月にプロテストに合格。デビューにこぎ着けた。

 初舞台はプロ3戦1勝2敗の脇田雄一(36=石橋)との対戦。コロナ禍で無観客になったが、平野は「こんな状況で試合をやらせてもらえることに感謝している。緊張しやすい性格なのでデビュー戦は無観客で良かったかな。勝って次は見にもらえたらと思っています」と歓迎した。

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2020年8月17日のニュース