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ボクシング五輪代表、強化遠征行けない…内定喜びの帰国3人に入国問題浮上

[ 2020年3月14日 05:30 ]

帰国会見で、質問に答える(右から)入江、並木、岡沢(撮影・小海途 良幹)
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 ボクシングの東京五輪アジア・オセアニア予選(ヨルダン)で本大会出場を決めた男子ウエルター級の岡沢セオン(24=鹿児島県体協)、女子フライ級の並木月海(21=自衛隊)、同フェザー級の入江聖奈(19=日体大)が13日、成田空港着の航空機で帰国した。3人は4月以降、国際大会に出場予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で難しくなったことが判明。メダル獲得へ向けた強化策に狂いが生じた。

 日本ボクシング連盟の本博国強化委員長によると、東京五輪代表メンバーは今後、3つの国際大会出場を予定していた。だが、新型コロナウイルスの影響で4月のタイ・オープンは延期。5月にロシアのハバロフスクで行われる大会と、ウラジミール・シン日本代表コーチが母国に働きかけたウズベキスタンの大会も「(日本人の)入国に問題が生じている」ため参加が厳しいという。代案として、予選中にカザフスタンのコーチから6月の大会参加を誘われたそうで、「そこは行かせてあげたい」と話した。

 今回代表を決めた3人はいずれも若く、必要なのは経験値となる。ボクシング日本女子の五輪出場1号となった入江は「小さい試合にも出て、五輪まで試合勘を落とさないようにしたい」と話し、キックボクシングの那須川天心と幼なじみの並木も「海外の選手は独特の特徴がある。海外選手と手合わせしていきたい」と言うだけに、実戦機会が減るのは痛い。「早い段階で東京五輪へ向けた練習ができる」(岡沢)利点も生かせなくなる。

 五輪延期の可能性について岡沢は「出場権がどうなるのか純粋に気になる」とした上で「延期でも予定通りでも結果を出すだけ」と誓った。男女ともチーム内はこの話題を避けていたそうで、並木は「東京五輪を目標にやってきて延期・中止は受け入れがたいと思っているので、口に出さなかったのでは」と明かした。五輪初出場を果たした女子チームの愛称を、幻の存在から実在に変わった青いバラに例え「ブルーローズ・ジャパンはどうかな?」と話したが、出場決定が幻とならないことを祈るしかない。

 《男子残り3枠へ、次週強化委開催》日本は男子4、女子2階級の開催国枠があり、今予選で出場枠獲得が1つだけの男子は残り3枠を適用する階級を28日までに決める必要がある。今予選の内容と結果、過去の国際大会の実績で3選手を決める強化委員会は次週の開催が有力。開催国枠で出場しない男子2、女子3階級については世界最終予選(5月、パリ)で出場を狙う方針で、日本連盟の菊池浩吉副会長は「予選に出た選手を全員行かせる」と話した。

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