×

井岡 現役復帰! 日本人初 米で4階級制覇挑戦 9・8「SUPERFLY3」に参加

[ 2018年7月21日 05:30 ]

米国での現役復帰を発表し、ファイティングポーズを決める井岡(撮影・吉田 剛)
Photo By スポニチ

 ボクシングの元3階級制覇王者・井岡一翔(29)が20日、東京都内で記者会見し、活動の拠点を米国に移し現役復帰することを発表した。復帰戦として9月8日にロサンゼルスで開催予定の「SUPERFLY3」に参加する。昨年大みそかの引退会見から7カ月、井岡は日本人初の4階級制覇という新たな挑戦に向かって再び歩み始めた。また、所属が遊技機メーカー「SANKYO」となったことも報告した。

 電撃引退から7カ月。止まっていた時計の針が再び動きだした。新たな所属先となったSANKYO本社での会見。井岡は資料に目をやりながら丁寧に言葉を紡いだ。

 「私、井岡一翔は米国で現役復帰することを決意しました。今後の拠点は米国になります。復帰戦としまして9月8日のSUPERFLY3に出場します」

 目指すは日本人初の4階級制覇。昨年大みそかの引退会見では「未練はない」と話し、決別を告げたはずのボクシングに井岡が新たな目標を見つけた。転機は2月に米カリフォルニア州イングルウッドで開催されたSUPERFLY2を観戦したこと。プロモーターのトム・ロフラー氏とも面会し、具体的に話が進む中で少しずつ心境が変化した。「やるからには海外で、今まで誰もやっていないこと、階級を上げて4階級を制覇したいと思った」。帰国後の3月には体を動かし始め、現在はスパーリングなどの実戦練習に着手しているという。

 過去に3階級制覇を達成した日本人選手は井岡を含めて5人だけ。「選ばれた者として結果を残す使命があると思った」そして、こう続けた。「ボクシングの神様は僕を見捨てなかった」

 復帰戦の対戦相手やタイトルマッチになるかどうかなどの詳細は後日発表されるが、多くの人たちの協力があって実現した現役復帰。もちろん、昨年5月に結婚した歌手の谷村奈南も「応援してくれている」という。「期待してくれている人たちへの感謝の気持ちをどう表現するか?それが今回の挑戦。復帰戦で勝利して井岡一翔はまだ終わっていないことを証明したい」。活動拠点だけでなく生活拠点も米国に移す覚悟で、近く渡米する予定だ。

 ▽井岡の引退会見 11年から6年連続で試合を行っていた大みそかに会見し、引退を発表。「ボクシングを始めたきっかけでもある3階級制覇をかなえたときに、引退しようと思いました」と説明。実際に引退を決意したのは4月の5度目の防衛戦前だったとし、「自分のさらなる目標を見つけた。次のステージに進むビジョンはできています」と語る一方で詳細については明かさなかった。リング復帰の可能性は「ゼロではない」と含みを持たせたが、米国進出については「今は海外に環境を移そうとか考えていない」と否定していた。

 ▽SUPERFLY(スーパーフライ)米プロモーターのトム・ロフラー氏が手がけるボクシング興行。第1回は17年9月にカリフォルニア州カーソンで行われ、ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)や井上尚弥(大橋)らが出場。第2回は今年2月に同州イングルウッドで開催され、シーサケット・ソールンビサイ(タイ)やフライ級のドニー・ニエテス(フィリピン)らが出場した。

 ◆井岡 一翔(いおか・かずと)1989年(平元)3月24日生まれ、堺市出身の29歳。大阪・興国高で6冠達成。東農大で北京五輪出場を目指すも07年全日本選手権決勝で敗れ、日本代表を逃す。09年4月プロデビュー。11年2月にプロ7戦目でWBC世界ミニマム級王座獲得。12年6月にWBAとの同級統一戦に勝ち日本人初の複数団体統一王者となる。同年12月、WBAライトフライ級王者。15年4月にWBA世界フライ級王者となり3階級制覇。17年4月に5度目の防衛に成功。身長1メートル65。右ボクサーファイター。

続きを表示

この記事のフォト

2018年7月21日のニュース