王者・池山 採点で引き分け6度目の防衛に成功
ボクシングのWBO女子世界アトム級タイトルマッチ10回戦は11日、東京・後楽園ホールで行われ、王者・池山直(47=フュチュール)が挑戦者の東洋太平洋女子ミニフライ級王者・花形冴美(32=花形)と三者三様の採点で引き分け、6度目の防衛に成功した。池山は47歳9カ月で、自身が持つ国内最年長防衛記録を更新した。池山は14戦10勝(2KO)2敗2分け、4度目の世界挑戦も実らなかった花形は23戦13勝(7KO)6敗4分け。
昨年6月の対戦でも引き分けた両者は、今回も激闘を演じた。前半は前進してフックを振るう池山を花形が左で迎え撃つ展開となり、右のカウンターや接近戦からやや下がって打つ左フックが有効にヒット。しかし、5回以降は池山がプレスを強めて距離をつぶし、頭をつけ合う乱戦に持ち込んで手数で上回った。採点はジャッジ1人が96―94で池山、1人が96―94で花形を支持し、残り1人は95―95。池山は最終10回で3人の支持を全て受け、ドロー防衛に成功した。
池山は「スロースターターで前半はエンジンがかからなかった部分があった」と言いながらも、「目標を達成しないと、やってきた意味がないと気合を入れ直した」と後半の反撃を説明。自身の前進に対して後退する選手が多い中、「花形さんは前へ出てくるので距離が取れない。やりにくい相手」と苦笑し、自己採点は「70点。今回も完全燃焼ではなかったけど前回より点数はいい」と話した。
一方、またも終盤に追いつかれた戴冠を逃した花形は、前回よりも落胆の表情を隠せなかった。「評価は自分でするものじゃない。ジャッジがそう見えたのが事実。これが実力」と唇をかみしめた。現役時代に5度目の挑戦で世界王座を獲得した花形ジムの花形進会長は「諦めないで続けることが大事だが、こればかりは本人が決めること」と語った。
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