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西谷 8回TKO勝ちで日本ライト級新王者 土屋を執念逆転「夢だった」

[ 2017年3月4日 22:06 ]

日本ライト級新王者の西谷和宏
Photo By スポニチ

 ボクシングの日本ライト級タイトルマッチ10回戦は4日、東京・後楽園ホールで行われ、挑戦者の同級1位・西谷和宏(29=VADY)が王者・土屋修平(30=角海老宝石)に8回2分52秒TKO勝ちして新王者となった。2度目の日本王座挑戦を実らせた西谷は西谷は22戦17勝(9KO)4敗1分け、初防衛に失敗した土屋は27戦22勝(18KO)5敗となった。

 西谷の執念が逆転劇を呼んだ。右構えながら左へ再三スイッチして左フックをカウンターで当てたのが功を奏し、序盤はポイントでリード。しかし、5回に土屋の右カウンターを受けてダウンし、この回終了時の採点ではジャッジ3者とも47―47のイーブンとなった。

 「気持ちが折れそうだった」という西谷は6、7回とパワーダウンし、やや土屋が優勢。それでもセコンドから「足を据えて強いパンチを打て」の指示が飛んだ8回、細かい連打で土屋を追い込むと、鮮やかな左アッパーが相手の顎に当たってダウンを奪った。さらに左アッパーから右を返すと土屋は仰向けに倒れ、レフェリーがノーカウントで試合をストップ。喜びを爆発させた新王者はリング上で長男・大吾くん(2)を抱き上げ、「(日本王者は)子供が生まれてからの夢だった。来月が誕生日(4月10日)なので最高のプレゼントができた」と声をはずませた。

 鳥取県倉吉市出身で、中学の時にテレビで「ガチンコファイトクラブ」やK―1を見て刺激を受け、地元のアマチュアジムでボクシングを始めた。22歳で神戸に出てきたとき、現IBF世界スーパーバンタム級王者・小国以載(角海老宝石)とともに、創設されたばかりのVADYジムの1期生としてプロ活動をスタートさせた。その後ジムを移籍し、昨年末に世界王者となった小国の試合は清掃の仕事で京都まで見に行けずテレビ観戦となったが、「賢いんで勝つと思っていた」という。

 自身もプロになってからの夢だった日本王者となった。15年12月に当時の日本王者・徳永幸大(ウォズ)に挑戦して敗れてからは「負けたら終わり。死にものぐるいで練習した」という。その試合で「強いパンチを当てないと挑戦者にはポイントがまず来ない」と学んだという西谷は「最後(のラッシュ)は、スタミナが切れるまで打ったろうと。あれで倒れなかったら終わりやった。アッパーは腹に打つつもりだったのが土屋選手が前のめりになったので、ちょうど頭の位置になった。ラッキー。運も味方した」とほほえんだ。

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2017年3月4日のニュース