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山中、V13戦は「厳しい相手」熱望 22戦全勝男に興味

[ 2017年3月4日 05:30 ]

激闘から一夜、左目上に軽い傷を残すだけの顔で新聞各紙と写真におさまる山中慎介
Photo By スポニチ

 ボクシングのWBC世界バンタム級王者・山中慎介(34=帝拳)が日本歴代単独2位となる12度目の防衛成功から一夜明けた3日、都内で会見した。元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高に並ぶ日本記録の13連続防衛が懸かる次戦では、強敵の挑戦者を希望。WBC同級2位で22戦全勝16KOのサウスポー、ルイス・ネリー(22=メキシコ)との対戦に興味を示した。

 記録よりも、望むのは強敵だ。山中は一夜明け会見で、具志堅のV13に王手をかけたことに「結果的に、そういう記録に近づけているのはうれしい」と言いながらも「自分が求めているのは試合内容。意識することはない」と話した。WBC6位のカールソン(メキシコ)に7回TKO勝ちしたV12戦を「左で5度ダウンさせたけど1度のダウンでフィニッシュがベスト。タイミングもヒットポイントもベストではなかった」と反省する一方、次戦について「前回(V11戦)のモレノのような、自分にも危機感が出る厳しい相手を選んでもらえれば試合へ向けて成長できる」と話した。

 帝拳ジムの本田明彦会長は秋に予定する次戦へ向け「具志堅の記録に挑戦するから、いい相手を探す」と明言している。山中は他団体王者との統一戦を希望しているが、相手側から高額ファイトマネーを要求されるなど実現は難しい。そこで浮上してくるのが、世界ランカーで最も勢いがあるネリーとの対決だ。実は今回もオファーを出して断られた経緯があるが、山中が14年10月のV7戦で破ったランキング1位のスリヤン(タイ)が先月、WBCの抜き打ち検査で興奮作用のあるメタンフェタミンなどに陽性反応を示したとされ、処遇が不透明。現在2位のネリーが指名挑戦者に浮上し、山中と指名試合で対戦する可能性がある。

 今後対戦したい相手を聞かれた山中も「ネリーという選手が注目されている。指名試合になるかもしれないし、やってみたいですね」と前向きに話した。22戦16KOと高いKO率を誇るサウスポーのネリーなら打撃戦も期待できる。「KOできたけど、悔しい思いもある。それがある限り成長できる」とレベルアップを誓う王者の闘志は、挑戦者が強敵でこそ燃え上がる。

 ◆ルイス・ネリー 1994年12月12日、メキシコ・バハカリフォルニア州ティフアナ生まれの22歳。12年5月プロデビュー。16年4月、WBC米大陸バンタム級王座獲得。同年12月、WBC世界同級のシルバーベルト(暫定王座に相当)を獲得した。上体が柔らかく、好戦的で連打が武器。愛称はヒョウを意味する「パンテラ」。身長1メートル63のサウスポー。

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2017年3月4日のニュース