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古川 3回TKOで西村下し新王者、WBA女子世界Lミニマム級

[ 2016年8月13日 16:42 ]

WBA女子世界ライトミニマム級新王者の古川夢乃歌はリング上で謎のポーズ

 ボクシングの女子ダブル世界戦は13日、埼玉・草加市文化会館ホールで行われ、WBA女子世界ライトミニマム級王座決定10回戦は同級2位の古川夢乃歌(ゆのか、22=ワタナベ)が同級3位の西村聡美(35=折尾)に3回1分59秒TKO勝ちして新王者となった。女子東洋太平洋フライ級王者で、世界初挑戦を実らせた古川は11戦8勝(6KO)1敗2分け。2度目の世界挑戦に失敗した西村は12戦9勝(1KO)3敗。

 女子大生ボクサーVSママさんボクサーの対決は若い古川の圧勝だった。日体大4年の古川は2児の母である西村に初回、左フックをヒット。本来は左利きながらボクシングは右構えで、「打ちやすい」という左を当てて波に乗った。パワーで押しまくり、3回に左―右の強打で西村が後方へ倒れかけた時点でレフェリーストップ。「最初はちょっと硬かったけど、一発当たってリラックスできた。3ラウンドはいいのが当たったので、いってみようとラッシュをかけられたのが良かった。相手をちゃんと倒したのは初めて。手応えは今までで一番ありました」と口も滑らかだった。

 5歳から水泳に取り組んでいたが、愛工大名電高入学後に体力づくりの目的で近所のジムでボクシングを始めた。12年4月にプロデビューし、日体大入学のため上京。活躍する女子ボクサーが多く、環境がいいと判断してワタナベジムに入門した。今回は本来のフライ級から3階級落としての世界挑戦で、普段の2倍に当たる8キロもの減量を実行。体育教師になるための教育実習を終えた1カ月半前から体重を落とし始め、大学で学んだ栄養学も減量メニューに生かしたが、「(前日計量後に)食べたら戻った。けっこう力が入った」とパワーは落ちなかった。

 「率直にうれしい。やっとここまで来た。日本国内にはチャンピオンがいっぱいいるので、これから試合のチャンスが来る。楽しみ」と話した古川。減量が厳しいため、今後は王座を返上して複数階級制覇を狙うプランもある。夏なのに大好きなアイスを我慢していたとあり、最後は「かき氷が食べたいです」と乙女の顔に戻っていた。

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