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山中「亡霊」退治だ!V9戦相手は12度防衛の前WBAスーパー王者

[ 2015年7月11日 05:30 ]

V9戦の対戦相手となるモレノの写真((C)NAOKI FUKUDA)を持ちKOを誓った山中

WBC世界バンタム級タイトルマッチ 王者・山中慎介VS同級3位アンセルモ・モレノ

(9月22日 東京・大田区総合体育館)
 ボクシングの帝拳ジムは10日、WBC世界バンタム級王者の山中慎介(32=帝拳)が9月22日に東京・大田区総合体育館で、前WBA世界同級スーパー王者でWBC同級3位のアンセルモ・モレノ(30=パナマ)と9度目の防衛戦を行うと発表した。WBA王座を12度防衛しているモレノは、山中にとって過去最強の挑戦者。バンタム級世界No・1を自負する男が頂上決戦に挑む。

 待望のビッグマッチの実現だ。モレノは強者との対戦を望んできた山中が、これまで何度も対戦候補に名前を挙げてきた相手。都内で会見した山中は「(決まった時は)ここ数戦にはないテンションの上がり方だった。リスクのある相手だけれど、勝てば実力が証明できる」と目を輝かせた。

 防衛戦9度目で元世界王者とは5回目となるが、モレノは過去最強の挑戦者だ。昨年9月にパヤノ(ドミニカ共和国)に不運な6回負傷判定の末に敗れてWBA王座を失ったものの、同王座を計12度防衛した前スーパー王者。かつてWBA同級正規王者の亀田興毅が、WBAから対戦指令を出されながら実現に至らなかった相手でもある。帝拳ジムの浜田剛史代表は「(モレノは)たまたまベルトを持っていないだけ。バンタム級で一番強い選手と2番目に強い選手が戦うということ」とバンタム級の頂上決戦と位置づけた。山中も「統一戦じゃないけど、統一戦と一緒の感覚です」と語った。

 「神の左」と呼ばれるパンチ力を誇る山中に対し、モレノは上半身の柔らかい動きで相手のパンチを外すなど抜群のテクニックを持つ。山中は「まともにパンチをもらった映像を見たことがない。強いというより、やりにくい。空回りさせられるという予想もある」と警戒する。これまで左ストレート1発で勝負を決めてきたが、今回は「単調な1回の攻撃じゃ駄目。1回、2回、3回と攻め続けたい」と語り、モレノ攻略法を入念に準備する予定だ。

 モレノの愛称は、パンチを放った時にはその場にいないことから「チェミート(亡霊)」。前戦のサンティリャン(アルゼンチン)も「幽霊」と呼ばれていたが、怖さは格段に違う。「本当の幽霊を退治したい」。8度防衛の王者が久々に心の底から燃える相手が用意された。

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2015年7月11日のニュース