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井上 2階級上のSフライ級視野「伸び伸びできる」

[ 2014年4月8日 05:30 ]

花に囲まれながら、王座奪取を報じるスポニチ本紙を手に笑顔の井上尚弥

 WBC世界ライトフライ級王者となった井上尚弥(20=大橋)と3度目の防衛に成功した同フライ級王者の八重樫東(31=大橋)が試合から一夜明けた7日、横浜市内で会見した。日本人最速6戦目で王座を奪取した井上は、ライトフライ級では減量が厳しいため、今後2階級上のスーパーフライ級まで階級を上げることを視野に入れた。

 WBCの緑のベルトを手に会見した井上。前夜は興奮で1時間しか眠らなかったというが「家に帰って試合の映像を見て、王者になった実感がじわじわ湧いてきました」と言って笑顔を見せた。

 今後について大橋秀行会長は「何も決まっていない」と白紙を強調したが、現在のライトフライ級(48・9キロ)で戦い続けることには「限界だよね。練習の半分の良さも出ていない。減量のデメリットが大きい。かわいそう」と否定的な見方を示した。今回は8キロの減量があり、計量前3日はほぼ絶食だった。コンディションにも影響が出て3月にはインフルエンザを発症した。試合中には左太腿裏がけいれんするアクシデントにも見舞われた。1階級上のフライ級(50・8キロ)に転級すれば1・9キロ余裕ができるが、大橋会長は「スーパーフライ級(52・1キロ)まで上げた方がいい。それが一番強いと思う」と一気に2階級上げるプランも披露。転級しても力負けしない自信がある井上は「フライ級でも少し楽になる。伸び伸びできるのはスーパーフライだと思う」と乗り気だ。

 フライ級とスーパーフライ級は日本人激戦区。フライ級はWBC王者がジム先輩の八重樫で、IBF王座は5月7日に井岡一翔(井岡)が挑戦する。スーパーフライ級はWBA王者が河野公平(ワタナベ)で、亀田興毅(亀田)も王座を狙う。井上は2つの階級を両にらみしてチャンスをうかがうことになりそうだ。

 今後は1週間の休養を取って練習を再開する予定。防衛戦を行うか、返上して2階級制覇に乗り出すかは現時点では未定だが「日本記録も歴史に残るけれど、記憶に残る試合をしたい」と今後の抱負を口にした。

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2014年4月8日のニュース