下田 初防衛戦に元王者プーンサワット浮上
シンデレラボーイに試練の防衛ロードが浮上した。プロボクシングの前WBA世界スーパーバンタム級王者・李冽理(リレツリ=横浜光)から3度のダウンを奪い、判定で世界初挑戦をものにした王者・下田昭文(26=帝拳)が一夜明けた1日、東京・神谷町のテレビ東京で会見。喜びに浸ったが、初防衛戦の対戦相手に強豪が名乗りを上げるなどハードな戦いが待ち受けることになった。
リング上で見せた闘志あふれる姿から、いつもの下田に戻っていた。世界戴冠の実感を聞かれ「寝てないんで分かんないです」。いきなり意表を突く受け答えに出ると、その後もマイペース。「強くなるために早くロードワークを再開させたい」と発言し、報道陣から突っ込まれれば「まだ練習は始めたくないけど、そういう気持ちを持ってるだけです」と本音トークで笑いを誘った。
試合同様、新王者ペース全開の会見。だが、待ち受ける防衛ロードには早くも強豪が続々と名乗りを上げた。初防衛戦の相手は李冽理にタイトルを奪われた元王者プーンサワット(タイ)が浮上。下田の初防衛戦のオプション(興行権)を保持しており、下田陣営の本田会長も「(初防衛戦は)プーンサワットとやることになるかも」と有力候補に挙げた。
さらに先月29日にはメキシコで行われた次期指名挑戦者決定戦で、同級4位のビクトル・テラサス(メキシコ)が権利を手にした。仮に下田がプーンサワットを退けてもV2戦で対戦を義務付けられる可能性は高い。
高校受験を5校も失敗した落ちこぼれが11年かけ「人生を変えたい」とリングに上がった世界初挑戦。バッティングでカットした右まぶたは縫合手術を受け14針縫った。患部をばんそうこうで保護し、腫れ上がった目元をサングラスで隠しての会見だった。それでも下田は「(団体間の)統一王者や複数階級も狙っていきたい」ときっぱり。。試練の防衛ロードを乗り越えて、真の王者を目指す。
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