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妻殺害で逮捕のWBCライト級王者、拘置施設で自殺…

[ 2010年4月20日 06:00 ]

08年6月、日本で行われたWBA世界スーパーフェザー級のタイトル戦で、4度目の防衛に成功したバレロ容疑者。右が殺害されたジェニファー夫人

 ベネズエラ警察当局は18日、世界ボクシング評議会(WBC)ライト級王者で同国出身のエドウィン・バレロ容疑者(28)を殺人容疑で逮捕した。バレロ容疑者はその後、拘置施設で死亡。首をつり、自殺したとみられる。ジェニファー夫人(24)を殺害した疑いが持たれていた。今年2月に防衛に成功し、これまで27戦すべてKO勝ち。日本のジムと興行権契約を結び、日本で防衛戦を行ったこともあった。

 バレロ容疑者が死亡していたのは、ベネズエラ中部カラボボ州の拘置施設内。AP電によると、着ていた服を独房の鉄棒に巻き付けるなどして首をつっているバレロ容疑者を、別の収容者が見つけた。発見時はまだ息があったというが、その後、死亡が確認された。警察当局者は「助けられなかった」と話している。遺体は州内の検視施設に運ばれた。
 バレロ容疑者は18日午前5時半ごろ、宿泊していた同州バレンシアのホテル受付でホテルスタッフに、妻を殺害したなどと告げ、駆け付けた警察官がホテルの室内で刺し傷が数カ所あるジェニファー夫人の遺体を発見。共同電によると、バレロ容疑者は間もなく逮捕され、容疑を認めていた。
 3月には、ジェニファー夫人に暴力を加えたとして身柄を一時拘束されたばかりだった。最近はアルコール依存症の治療を受けていたとされる。
 リング上では、強打のファイターとして知られ、27戦すべてKO勝ちし「ダイナマイト」の異名を持つ。世界ボクシング協会(WBA)スーパーフェザー級の元王者で、タイトル返上後にWBCに転身し、ライト級王者となった。今年2月の防衛戦で目の上をバッティングで負傷。以来、試合から遠ざかり、重量が上の階級で戦う意向も示していた。
 日本のジムと興行権契約を結び、06年10月からジェニファー夫人と子供2人とともに東京都内のマンションで暮らし始めた。子供は日本の幼稚園に通わせていた。取材に対しては常に笑顔で愛想がよく、最後は必ず握手を求めて「日本が大好き。ずっと住みたい」と話していた。しかし、09年初めにジェニファー夫人がホームシックになったため、ベネズエラに帰国。日本のジムとの契約も解消した。

 ▼WBA世界スーパーフライ級王者名城信男(07年5月にバレロと同じ会場で試合)現役バリバリの選手がこういう形で終わってしまうのは凄く残念。言葉をかわしたことはありますし、いい人だったんですが…。

 ◆エドウィン・バレロ 1981年12月3日、ベネズエラ西部メリダ州ボレロアルト生まれ。02年7月プロデビュー。06年2月、世界タイ記録となるデビュー以来18連続1回KOをマーク。06年8月WBA世界スーパーフェザー級王座獲得、4度の防衛後、08年9月に同王座を返上。09年4月にWBCライト級王座を獲得し現在まで2度防衛。左ボクサーファイター。ジェニファー夫人との間に1男1女。

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2010年4月20日のニュース