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4年ぶり復活V!小比類巻が帰ってきた

[ 2009年2月24日 06:00 ]

日本代表決定トーナメント決勝で山本優弥(右)にヒザ蹴りを見舞う小比類巻太信

 ミスターストイックが復活した。K―1ワールドMAX日本代表決定トーナメントが23日、国立代々木競技場で行われ、決勝で小比類巻太信(31=BRAVI RAGAZZI)が山本優弥(24=全日本キックボクシング連盟青春塾)を3―0の判定で下し、4年ぶり3度目の優勝を果たした。1Rに左右のひざの連打でダウンを奪いながら最終Rにダウンを奪われる激戦を制した。小比類巻は優勝賞金500万円と4月21日の世界一決定トーナメント開幕戦の出場権を手にした。

【試合結果


 判定を聞いた瞬間、小比類巻の顔に笑みが浮かんだ。1万421人の大観衆からは、よみがえったミスターストイックへ大歓声が起こった。「長い間、お待ちどうさまでした。また、このリングでスタートを切れた」。堂々の復活宣言だった。

 苦しかった。1回戦の相手は、07年に日本代表トーナメントの初戦で敗れたアンディ・オロゴンだった。ダウンを奪われた末に判定負けし「素人に負けた」と言われた。あの敗戦後から、小比類巻の闇が始まった。両ひざを痛めて長期離脱し、勝利から見放された。今でも「顔も見たくない」と言う相手との初戦が、最大のヤマだった。

 計量オーバーで試合前に減点1を科されたアンディを相手に、動きが堅い。両者がホールディングを注意され、最終Rには小比類巻だけにイエローカードが出された。判定は2―0の少差だったが、この勝利で2年間の闇が晴れていった。

 2回戦は、前年王者の城戸に初戦とは別人のようなパンチと左右のひざを叩き込み、2RKO勝利を挙げた。決勝の山本戦は、1、2Rを優位に進めながら、最終Rにはダウンを喫するまさかの展開となったが、最後のラッシュで勝利を確実にし、復活優勝を遂げた。

 「初戦はガチガチ」と振り返った試合も「ダメージはなかった。決勝のワンパンチも気を抜いてしまった。余裕がありすぎでした」と話した。2年の闇の間、心機一転するために名前を「貴之」から「太信」に替えた。太い信念。世界3位にまで上り詰めた男が、苦難を乗り越えて再び世界の舞台に戻る。「魔裟斗たちと同じ舞台にいないといけない」。信念を貫き通したミスターストイックの、新たな挑戦が始まった。

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2009年2月24日のニュース