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オレがエース!武蔵 頂上対決でKO勝ち

[ 2008年4月14日 06:00 ]

沢屋敷をKOした武蔵は、コーナーに駆け上がって雄叫びを上げる

 武蔵がエースの座を奪回した。K―1ワールドGP横浜大会は13日、横浜アリーナで行われ、武蔵(35=正道会館)は沢屋敷純一(23=チームドラゴン)との日本人対決で、2ラウンド2分16秒、左ストレートでKO勝ちを収めた。K―1デビュー戦の元極真世界王者エヴェルトン・テイシェイラ(26=ブラジル)は延長の末にKO勝ち。スーパーヘビー級タイトル戦は、王者セーム・シュルト(34=オランダ)が2度目の防衛に成功した。

【試合結果


 日本人エースの座を守り続けてきた男の意地が爆発した。新旧エース対決といわれた沢屋敷との一戦。経験の差が出たのは2ラウンドだった。1分9秒に左ミドルキックで沢屋敷のガードを下げさせると、鮮やかな左ハイキック。1度目のダウンで試合は決まった。

 フラフラになった沢屋敷に今度は左アッパーを見舞い、2度目のダウンを奪う。2分16秒に左ストレートでKOすると、1万629人のファンの前で絶叫した。「新しい選手がどんどん出てくる。年齢的にはおっさんかもしれないが、おっさんパワーを見せるぞ!」。日本のエースは誰かを証明した瞬間だった。

 「このマッチメークには不満があった。勝ってホッとしたが、沢屋敷には経験を積ませた方がよかった」。昨年は開幕戦出場を懸けたアジアGPでまさかの途中棄権。6年ぶりに開幕戦に出場できなかった。屈辱を胸に黙々と練習に明け暮れ、大阪の正道会館ではスパーリングを普段の3倍以上もこなした。10年以上もエースを守ってきた自負。昨年、一気に台頭してきた沢屋敷とエースが交代したと言われ続けた悔しさをバネにした。

 谷川貞治イベントプロデューサー=EP=(46)は「武蔵はルール上、開幕戦への資格はない。日本GPに出てほしい」と今のところワールドGPの推薦枠は与えない方針。だが、エースの座を取り戻した自信が武蔵に「トーナメント(日本GP)に出る必要はないと思う」と言わせた。敗れた沢屋敷は開幕戦の出場権を持っている。日本人No・1に返り咲いた武蔵は、エースの誇りも取り戻した。

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2008年4月14日のニュース