「お風呂で首まで15分浸かる=軽い運動と同等の効果」。医学博士コメントも

[ 2023年8月9日 09:00 ]

猛暑の夏。汗をたくさんかいた日は、お風呂に入り、汗を洗い流すと気持ちがいいですよね。湯上りの汗がなかなか引かず、ついシャワーで済ませてしまう人もいるかと思います。

九州大学とリンナイが出した共同研究によると、夏も湯船につかることは熱中症や夏バテ対策によいと
いう結果が出ています。

夏も湯船につかるメリットとは

共同研究によれば、週4日以上湯船に浸かる入浴習慣があれば、発汗量と血流量が上昇しやすいことが認められました。入浴により「暑熱順化」の獲得を促し、熱中症や夏バテしにくい身体をつくることが期待で
きるとのことです(※1)。

※1 入浴習慣が発汗・血流による熱放散機能を向上させ熱中症予防に繋がる可能性を明らかに

リンナイ株式会社が実施した夏バテに関する意識調査を監修した医学博士の久手堅司先生は、38~40度くらいのお湯に10~15分間、首までしっかり浸かることで入浴による「暑熱順化」の獲得が期待でき、夏バテ対策になると語っています。

夏バテや熱中症対策に重要な「暑熱順化」

久手堅先生コメント

人間は体温を36~37℃程度に保つことで健康を維持しています。体内が高温になると細胞が破壊されてしまうことから、体温を下げるために抹消血管を拡げ、それでも下がらなければ発汗し、身体の表面から熱を逃がします。

人間の身体はよくできたもので、暑さにさらされると徐々に血流量や発汗量を増加させ、熱を逃がす能力を上げていきます。身体が暑さに慣れるこの変化を「暑熱順化」と呼びます。

夏バテしやすい方は「暑熱順化」が獲得できておらず、 体温調整が苦手な場合が多いです。発汗量や血流量を増加させるためには、運動が効果的です。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動で負荷をかけると、四肢の末梢血管の血流量が増加し、そして発汗へとつながっていきます。

運動習慣がない方でも、入浴時に湯船に浸かる方法があります。38~40度くらいのお湯に10~15分間、首までしっかり浸かると軽い運動と同等の効果が期待できます。

みんな、どれくらい運動してる?

リンナイ株式会社が実施した夏バテに関する意識調査(全国47都道府県別の20~60 代の男女計2,350名を対象)によると、運動については5割が「全くしない」、入浴は3割が 「シャワーで済ませる」という結果となっています。

▼あなたは普段、 1週間のうちにどれくらい運動をしていますか。運動とは、息がはずみ、汗を軽くかく程度以上のものとします。 (単一回答 N=2350)

▼あなたは普段、入浴時に湯船に浸かっていますか。 (単一回答 N=2350)

夏バテや熱中症対策を意識して、週に何回か湯船に浸かってみるのもよさそうですよ。

監修者の紹介

せたがや内科・神経内科クリニック 院長 久手堅 司先生
医学博士。著書に「気象病ハンドブック」、監修本に「面白いほどわかる自律神経の新常識」「自律神経失調症
外来」「頭痛外来」「肩こり・首こり外来」など複数の特殊外来を立ち上げ、中でも天候と不調の関係にフォーカ
スを当てた「気象病・天気病外来」「寒暖差疲労外来」は、テレビ・新聞・雑誌・ウェブなど各種メディアで話題を
呼んでいる。

 

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