「え、」愛息から手厳しいメッセージ メダルなし高藤直寿「次は格好いいところ見せたい」世界柔道から帰国

[ 2023年5月9日 21:30 ]

気持ちを切り替えた様子で大会を振り返った高藤直寿
Photo By スポニチ

 柔道世界選手権(カタール・ドーハ)の男子60キロ級で、5位でメダルなしに終わった東京五輪金メダルの高藤直寿(パーク24)が9日、成田空港に帰国。試合から2日が経過し、気持ちを切り替えた様子で「金メダル確実と言われている中で負けてしまい、柔道をやっているなという感じだった。悔しい思いはあるが、また稽古で積み上げて、新たな気持ちでやりたい」と話した。

 今大会は全日本柔道連盟の山下泰裕会長らを超え、日本男子単独最多の5度目の優勝が懸かっていた高藤だが、準決勝で敗れ、その後の3位決定戦も敗戦。19年大会以来のメダルなしに終わった。敗因については「その場その場でやるべきことは分かっていたが、逆に客観視し過ぎるというか、ちょっと(体が)追いついていなかった」と自己分析。敗れた準決勝も「投げたい気持ちが出てしまった。そこを抑えれば、確実に泥臭く勝てたと思う」と話した。

 最軽量級から始まる世界選手権や五輪では、常に男子の先陣を切ってきた高藤。今大会も日本代表のトップバッターとして鈴木桂治監督も期待していたようで、「(監督が)結構ショックを受けていた。落ち込んでいた」と申し訳なさそうに明かした。監督からは「またしっかり頑張っていこう」と声を掛けられたそうで、「早いうちに僕の強さを見せつけて、パリまで突っ走っていきたい」と今後はコンスタントに実戦を踏んでいく方針だ。

 今大会は妻や子供たちが海外の国際大会として初めて現地に応援に駆け付けた。東京五輪前、自宅の飾り棚にある16年リオデジャネイロ五輪の銅メダルに、自分が幼稚園の運動会でもらった金メダルを重ねるなど、最も厳しく高藤を見守る長男・登喜寿くんからは「負けた時、『え、』ってLINE(ライン)が来ていた。あおってくるなあ、と」と、手厳しいメッセージが送られていたことを告白。それでもスタンドでは悔し泣きをしていたそうで、「次は格好いいところを見せたい」と誓った。

続きを表示

2023年5月9日のニュース