【内村に聞く(2)】五輪は「自分を証明できる場所」、栄光も挫折も「貴重な経験させていただいた」

[ 2022年1月15日 05:30 ]

内村航平引退会見 ( 2022年1月14日 )

会見で記者の質問に答え、笑顔を見せる内村(撮影・木村 揚輔)
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 【内村に聞く(2)】

 ――30年の体操人生を振り返って。
 「実績だけ見ると、結果をかなり残せたかなと思うけど、今振り返ると、まだまだやれたな、あの時ああしておけばよかったなというのも凄く思う。本当に自分の競技人生に満足ができているかというと、そうではないかな」

 ――体操人生で最も熱く盛り上がった瞬間は?
 「2つある。11年、東京でやった世界選手権の個人総合決勝の全6種目と、リオ五輪の個人総合の鉄棒。11年の世界選手権はもう、今まで感じたことないぐらいのゾーンを感じて。あ、もう今日は何をやってもうまくいくっていう感覚で目覚めて、試合が終わるまで、全て自分の思い通りにいった。リオ五輪の鉄棒に関しては、あれだけの点差(0・901点差)を逆転できたのもそうだけど、オレグ(ベルニャエフ)選手と、あの五輪の会場を2人で支配できたなっていう雰囲気を感じられた」

 ――内村選手にとって五輪とは?
 「自分を証明できる場所。世界選手権が五輪イヤー以外にも毎年あって、世界チャンピオンになり続けて、本物のチャンピオンなのかと疑い続けて、五輪で証明を2回もできたので、証明する舞台だったのかなと思う」

 ――リオ五輪以降の5年は?
 「体操を突き詰めていくということを考えると、一番濃い5年間だったと思う。今までいいところばっかり知りすぎた。挫折とか落ちたところからのはい上がる力は今後、人に伝えていく立場として知らなきゃいけないことだった。栄光も挫折も経験できたのは今後、五輪の金メダルを目指す人たちに伝えていく立場からすると、貴重な経験をさせていただいたという気持ちが強い」

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2022年1月15日のニュース