内藤雄士の90切りゴルフ【第4回 傾斜を利用したスイング矯正法】

[ 2021年4月30日 14:00 ]

内藤雄士コーチ(左)と野田すみれ
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 第4回は傾斜を利用したスイング矯正法です。前回は左足下がりの打ち方を説明しましたが、内藤雄士コーチによれば、そのライからボールを打ち続けることによって、スイングの悪癖を修正できると言います。特にすくい打ちやインサイドアウトの軌道の人には有効なので、一度試してみましょう。野田すみれさんがアシスタント役を務めます。

 内藤 野田さんに限らず、アベレージゴルファーの多くは、左足下がりからボールを打つのが苦手ですが、その理由を知っていますか?

 野田 ボールが上がりにくいからですか?

 内藤 確かにそれもありますが、実は1Wのクラブヘッドが影響しています。400CCを超える大容量のヘッドが主流になってからというもの、ゴルファーのスイングが以前よりもインサイドアウトのアッパーブロー気味の軌道に変わりました。その軌道は、左足下がりから打つには最も適しておらず、ダフリやトップといったミスにつながるわけです。

 野田 1Wのスイング軌道がアイアンショットにも影響しているんですね?

 内藤 そうです。本来ならアイアンショットはダウンブローに打ちたいところですが、どうしてもすくい打つ形になりがちです。ただ、平地からだとすくい打ちでもボールを拾うことができるので、自分の軌道に問題があるとは気づきにくい傾向にあります。その分、軌道を修正しにくいと言えますね。

 野田 それが左足下がりから打つことで明確に気づけると?

 内藤 明確なミスが出るので、軌道を修正するしかありません。逆に言えば、左足下がりからナイスショットできれば、自然とインサイドアウトも、アッパーブローの軌道も修正できていることになります。それではもう一度左足下がりから打ってみましょう。

 野田 肩のラインを水平にして、右膝を軽く曲げ、右足体重で構えるんですよね。打つ前に素振りをして、ヘッドが地面に当たるところにボールを置くと。

 内藤 あとはミート重視のコンパクトなスイングを心がけて下さい。できれば、ダウンスイングでは手首のコックを少し早めにリリースするといいですね。うまく打てるようになったら、今度は平地から打ってみましょう。肩は水平に、平地なので傾斜に合わせて右膝を曲げる必要はありません。

 野田 以前は右斜め上からボールを見ていましたが、今はボールを真上から見るような感じになりますね。実際にボールを打つと、インパクトがしっかりした感じがあります。これまではターフを取っていませんでしたが、今ならボールの先にあるターフが取れると思います。

 内藤 スイング軌道がダウンブローになってきたからでしょう。

 野田 練習場で左足下がりをつくるにはどうしたらいいですか?

 内藤 右足の下にボールを挟んで構えてみるといいでしょう。その状態で肩のラインを水平にして、右膝を軽く曲げ、右足体重で構えます。打つ前に素振りをして、ヘッドが当たるところにボールを置いたらアドレスの完成です。ボールをジャストミートできるようになったら、右足の下にあるボールを外して打ってみましょう。

(取材協力・千葉国際カントリークラブ【PGM】)


 ◆内藤 雄士(ないとう・ゆうじ)1969年(昭44)9月18日生まれ、東京都出身の51歳。日大ゴルフ部出身。米サンディエゴアカデミーなどで最新のスイング理論を学び、98年からプロを教えるプロコーチとして活躍。丸山茂樹の米ツアー優勝に貢献し、矢野東、谷原秀人ら多くのトッププロを指導。

 ◆野田 すみれ(のだ・すみれ)1999年(平11)2月8日生まれ、東京都出身の22歳。日本女子大卒。3歳でゴルフを始め世界ジュニアの日本代表に10年から3度選出。11年にハワイ・パールオープン・ジュニアで優勝。1メートル57。

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