稲見 キックボクシングトレ導入、五輪代表争いに「ケリ」つける!

[ 2021年1月28日 05:30 ]

キックボクシングトレーニングを行う稲見(撮影・福永 稔彦)
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 女子ゴルフでツアー通算2勝の稲見萌寧(21=都築電気)が27日、千葉県内で練習を公開し、東京五輪出場への意欲を口にした。今年1月からトレーニングの一環としてキックボクシングを導入。下半身を強化して飛距離&安定感アップを図り、プロツアー本格参戦3年目となる21年は自身初の複数回優勝を目標に掲げた。その先には東京五輪代表争いで、現在の日本勢5番手からの逆転を見据えている。

 ジムの中に稲見がミットを蹴る鋭い音が鳴り響く。3分間、キックやパンチを打ち続けるメニューを4回連続で繰り返した。キックボクシングの前にはウエートトレーニングをこなしており、「地獄~」と言葉が漏れるほど強度は高い。3月に開幕する21年に向け、体をいじめ抜いた。

 「今年は複数回優勝を目指して。上半身をねじるところがスイングと共通している。体が硬くて(ねじる動きは)苦手だったけど、腰の切れや上半身のねじれでスムーズに動かせるようになった」

 18年にプロ転向し、すでに2勝。19年のパーオン率はツアー1位とショットの精度が武器の21歳は今オフ、飛距離アップをもくろんでいる。新型コロナウイルスの影響を受ける中、自宅から車で20分圏内のジムとコースと練習場を回る日々。キックボクシングによる捻転力強化に加え、トレーニングと食事改善で体重が5キロ増えたことで、昨年「240ヤードいくかいかないか」だった飛距離は5ヤードほど伸びた。それでも、「10~15ヤードは伸ばしたい」とさらなる進化を目指している。

 視線の先にあるのは東京五輪だ。現在の世界ランキングは日本勢5番手の63位。大舞台の出場権を確実に得るためには、日本勢の2番手以内に入る必要がある。「出たい気持ちがある。可能性はゼロじゃないと思うので。そのために開幕から複数回優勝できたら(代表に)入れるかもしれない」と話し、逆転五輪切符に「開幕ダッシュ」を誓った。

 ◆稲見 萌寧(いなみ・もね)1999年(平11)7月29日生まれ、東京都出身の21歳。9歳でゴルフを始める。18年プロテスト合格。19年センチュリー21レディースでプロ初優勝。昨年スタンレー・レディースで2勝目。日本ウェルネススポーツ大在学中。1メートル66、58キロ。血液型A。

 ▽東京五輪女子ゴルフ出場資格 出場選手数は60人。世界ランキングを基に算出される五輪ランキングで決まる。6月28日のランキングで15位以内(各国最大4人)に出場権が与えられ、16位以下は15位以内の有資格者を含めて各国上位2人が上限。現在、日本勢では畑岡奈紗(世界ランキング7位)、渋野日向子(同13位)が出場圏内。古江彩佳(同16位)、鈴木愛(同22位)が続き、稲見(同63位)は5番手。

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