“夏男”御嶽海、無傷の6連勝 史上初関脇以下3度目Vへ好調維持

[ 2020年7月25日 05:30 ]

大相撲7月場所6日目 ( 2020年7月24日    両国国技館 )

隠岐の海を突き落としで破る御嶽海(上)(撮影・西海 健太郎)
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 3場所ぶりに関脇に戻った御嶽海が無傷の6連勝とした。小結・隠岐の海の攻めを受け止めてから前に出て、右からの突き落としで転がした。優勝2回の実力者は、得意の夏場の場所で本領を発揮してきた。平幕の勝ちっ放しが消え、無敗は御嶽海、横綱・白鵬、新大関・朝乃山の3人。カド番の大関・貴景勝は初顔の霧馬山に敗れて2敗目を喫した。

 守ってよし、攻めてよし。隠岐の海との一番は、御嶽海の持ち味が凝縮されていた。立ち合いで先に踏み込まれたが、しっかり受け止め二の矢を許さない。そこから左はず、右おっつけで逆襲。相手の体勢を崩し、簡単に突き落としを決めた。

 「立ち合いで遅れてヤバいかなと思ったが、我慢して前に出られたのが良かった」。白星を積み重ねることで、劣勢にも動じない心の強さも備わってきた。

 新型コロナの感染予防策として場所前の出稽古が禁じられ、御嶽海は関取との稽古ができなかった。「重みが感じられない」と不安を口にする一方で「(関取相手だと)一番取って休憩だが、部屋では20番ぶっ続け。それも勝たないといけないから体力はつく」とも話していた。2日目の隆の勝、3日目の阿武咲には圧力を受けて後退するなどデメリットがもろに出たが、幕下以下との稽古で勝ち癖をつけたことで逆境で踏ん張れた。相手の圧力にも慣れてきて、攻守の切り替えもスムーズになった。出稽古ができなかったことは決してマイナスではなかった。

 初日からの6連勝は2場所連続だが、三役では初優勝を飾った18年名古屋場所(11連勝)以来。今年は出身地の長野県と隣接する愛知県での開催ではないが、7月が得意なことに変わりはない。八角理事長(元横綱・北勝海)も「左を差されても慌てなかったよね。自分からはたいたりしなかった。馬力の違いだよね」と称賛した。

 「上位(との対戦)まで取りこぼさないで自分の相撲を取っていきたい」。関脇以下で2度の優勝は御嶽海を含めて7人いるが、3度目となれば史上初。白星を重ねることで、それは現実味を帯びてくる。

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2020年7月25日のニュース