医学部生になった柔道・朝比奈沙羅が練習公開「疲れ方が違う」

[ 2020年7月25日 20:42 ]

稽古前にラグビーボールを使ってトレーニングを行う朝比奈沙羅
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 柔道女子78キロ超級で、今年4月に医師を目指して独協医大に入学した18年世界女王の朝比奈沙羅(23)が25日、新生活を送る栃木県内で練習を公開した。新型コロナウイルス感染拡大の影響でしばらくは大学でもオンライン授業が続いたが、6月中旬から教室での授業や研修がスタート。本格的に柔道との両立が始まり、「始まってから慣れるのに1週間くらいかかった。疲れ方が(以前と)違う」などと現状を語った。

 この日は午前に県内屈指の進学校である県立宇都宮高で稽古を行い、午後は宇都宮市内にあるビッグツリー・スポーツクラブで器具を使ったトレーニングや、東海大時代から継続している水中バイク(アクアバイク)でのトレーニングを行った。前日には全国大会常連校の国学院栃木高に出稽古を行ったといい、新天地でゼロから練習環境を確立。「いろんな方に支えられている。こっちに来ていいリズムで生活ができている」と感謝した。

 同級は昨年の世界選手権とグランドスラム(GS)大阪大会を制した素根輝(20=環太平洋大)が東京五輪代表に内定。朝比奈は補欠に選出されることが有力となっている。五輪自体が延期となり、朝比奈にとってもモチベーションの維持が難しい局面と思いきや、「自分的にはいいかなと思う。どっち(柔道と勉学)も頑張れる環境になった」と明言。当面は来年末まで現役を続ける意向で、その後については「だらだら続けようと思えばできるが、代表に残るのはまた違うこと」と区切りを付ける考えを示した。

 当面は10月末の開催が予定される全日本選抜体重別選手権(講道館杯との合同大会の予定)の出場を目指し、練習強度を上げていく予定。コロナ禍で難しい調整が強いられ「仕上げもピークの持って行き方も難しい」と話したが、“医学部生初戦”を飾るため、いばらの道を選択した自分自身の正しさを証明するためにも、「きちんと仕上げていきたい」と口元を引き締めた。

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