有森裕子さん 一山絶賛!30キロ手前からの走りは「凄い」の一言 五輪メダル「手が届くかも」

[ 2020年3月9日 05:30 ]

名古屋ウィメンズマラソン ( 2020年3月8日    ナゴヤドーム発着 )

<名古屋ウィメンズマラソン>表彰式でメダルを手にポーズを決める(左から)安藤友香、一山麻緒、ピュアリティー・リオノリボ(撮影・椎名 航)
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 30キロ手前からの一山の走りは「凄い」の一言でした。それまでは集団の中での自分の位置取りが決まらず、あちこち動き回ってばかりいたので心配したのですが、杞憂(きゆう)にすぎませんでした。29キロでスパートしたのも、そこから1キロ3分14秒前後の超ハイペースで突っ走ったのも本人の中では全て予定通り。よく食べて故障もせず、練習メニューをすべてこなせた成果がそのまま表れた見事な走りでした。

 一山のフォームは臀(でん)筋から太腿にかけてのたくましさが一番の特長です。臀筋が少し上がったような感じで、骨盤の傾きが自然と前傾が取れるようになっています。ストライドも大きくて腕の振りもそれに合わせてきちんと振れる。リズムが良いので体力の消耗が少ない。男子で話題の厚底シューズはこの臀筋と骨盤の傾きが関係しています。女子が履きこなすのは簡単ではありませんが、バネがあって跳ねるような一山の走り方はかかとが上がった厚底に向いていたのは確かです。

 今回の走りを見て、改めて五輪でもメダルに手が届くかもしれないという思いを強くしました。先に内定していた2人もさらに奮起するでしょう。3人が本番でどんな走りを見せてくれるのか、今から本当に楽しみになってきました。(五輪2大会連続メダリスト)

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2020年3月9日のニュース