時松隆光“妹弟子”後藤未有「出る試合はすべて全力で優勝を」 3・24プロデビュー

[ 2020年2月26日 09:18 ]

女子プロ唯一のテンフィンガーグリップでプレーする後藤がデビュー、旋風を巻き起こす
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 2000年に生まれたミレニアム世代のエースで、男子プロ・時松隆光の“妹弟子”後藤未有がプロデビューする。2018年日本女子オープンでローアマに輝いた福岡・沖学園高出身の20歳はツアー出場権を争うQT(クオリファイイングトーナメント)64位でTP単年登録を獲得。3月24日開幕の「ラシンクリシュリュ/RKBレディース」で国内初戦に挑む。

 昨年の女子プロゴルフを席巻した黄金世代にも負けぬ逸材が揃う2000年生まれのミレニアム世代。後藤はそのエース的存在だ。特徴はグリップ。両手の指を重ねる「オーバーラッピング」、からませる「インターロッキング」の主流に対して野球のバットのように10本の指で握るテンフィンガーグリップでプレーする。「4歳でゴルフを始めたときからずっと同じ」。同グリップの提唱者である福岡市のゴルフ指導者、篠塚武久氏(74)に師事し、同じくテンフィンガーで活躍する男子プロ、時松隆光は同門の先輩にあたる。

 沖学園高1年だった2016年に九州女子アマ優勝。18年は九州女子アマV2、さらに日本女子オープンで8位に入りローアマを獲得した。だが初めて挑んだ昨年11月の最終プロテストは4日間通算2オーバーで、合格ラインの20位タイに1打及ばず涙を飲んだ。さらに合格から2打差までの選手が進んだQT(クオリファイイングトーナメント)では64位止まり。レギュラーツアーの出場権は逃したが1年限りのTP単年登録を得た。

 今季の主戦場は下部のステップアップツアーとなるが目標は同ツアー賞金ランキングで1位となり、出場権を獲得したレギュラーツアーで優勝、そして米ツアー参戦と三段跳びで飛躍した河本結だ。「結ちゃんのケースが私の目標。将来は世界で活躍したい」と目を輝かせる。

 さらに身近にもお手本はいる。兄弟子の時松も16年に下部ツアーで初優勝し、出場権を得たダンロップ・スリクソン福島オープンで見事にツアー初優勝を決めたシンデレラボーイだ。希少なチャンスを見事につかんだ時松のサクセスストーリーこそ後藤の目指す道。「厳しい条件だけどせっかくプロと認められたのだから無にしたくない。出る試合はすべて全力で優勝を狙っていきたい」と意欲を見せた。国内デビューは地元・福岡で開催されるラシンクリシュリュ/RKBレディース。ミレニアム世代のエースが逆境に負けず女子プロ界にテンフィンガー旋風を巻き起こす。

 ○…テンフィンガーグリップはベースボールグリップとも呼ばれ男子ツアーでは時松隆光、和田章太郎が採用しており、左手親指を痛めた丸山茂樹も挑戦中。女子プロでは岡本綾子が一時期に採用。現役では勝みなみ、山口すず夏(ウッドクラブのみ)が左手親指を伸ばしてシャフトに乗せる変則テンフィンガーを採用しているが、野球式のテンフィンガーは後藤だけだ。

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