ブライアント氏を乗せて墜落したヘリのパイロット、5年前に違反行為あった…

[ 2020年2月22日 16:27 ]

墜落したヘリコプターを操縦していた故アラ・ゾバヤン氏(AP)
Photo By AP

 1月26日の墜落事故でNBA元レイカーズのスーパースター、コービー・ブライアント氏(享年41)ら8人とともに死亡したパイロットのアラ・ゾバヤン氏(同50)が2015年5月11日、連邦航空局(FAA)の規則に違反していたことが明らかになった。

 ロサンゼルス・タイムズ紙が最初に報じているもので、ゾバヤン氏は今回の事故同様に5年前も視界不良だったにもかかわらずに離陸。その際、FAAの許可を得ずに商用機が数多く飛んでいたロサンゼルス国際空港周辺の空域を通過して事情を聴取されていた。

 場所はロサンゼルス国際空港の南東に隣接しているホーソーンの上空。ゾバヤン氏はFAAが定める最低限の視程を得られなかったにもかかわらず、管制官にそのエリアを通過する「特別許可」を求めてきた。管制官はこれを却下。しかしFAAの報告書によれば、ゾバヤン氏は通信を交わしている最中に上空を通過したとされている。

 ゾバヤン氏は当時も、今回同様にアイランド・エクスプレス・ヘリコプター社の専属パイロット。ただしこのときヘリコプターに乗客がいたかどうかは明らかになっていない。

 1月26日にカリフォルニア州カラバラスで発生した墜落事故では濃霧の中で同社所有の中型ヘリ「シコルスキー・S―76B」が離陸しており、視程を得られなくなったゾバヤン氏が管制官にレーダーでの誘導をリクエスト。しかしその後、急上昇したあとに急降下するという不可思議な操縦を繰り返し、最後は時速300キロ近い猛スピードで傾斜地に激突した。

 なおこのFAAの報告書では、この“前歴”が今回の事故につながったという証拠は示されていない。

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2020年2月22日のニュース