【岡崎真の目】羽生、入りから出まで完璧 非の打ちどころない3A

[ 2019年10月27日 07:05 ]

フィギュアスケートGPシリーズ第2戦  スケートカナダ第1日 ( 2019年10月25日    カナダ・ケロウナ )

男子SPで演技をする羽生(撮影・小海途 良幹)
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 羽生のトリプルアクセルは9人の審判のうち8人がGOE(出来栄え評価)でプラス5をつけ、満点の評価だった。入りの部分から出の部分まで完璧にコントロールされ、高さといい流れといい全く非の打ちどころがなかったとはいえ、これだけプラス5が並ぶのは珍しい。採点にはきちんとしたガイドラインがあり、決められた項目を満たさなければプラスの評価をつけることはできないのだが、恐らくほぼ全員がパッと見た瞬間に「これはプラス5」だと直感したのではないか。いかに素晴らしいジャンプだったかが分かる。

 4回転―3回転の連続トーループも少し詰まったような感じで羽生からすれば100点の出来ではなかったはずだが、GOEでマイナスをつけた審判は一人もいなかった。元々のジャンプの質が高いために、ミスをして減点されてもまだプラスの範囲に収まってしまう。スピン、ステップもGOEは必ずプラス。全ての要素で高い得点を稼げる。それが羽生の最大の強みだろう。

 2シーズン目にして早くもこのプログラムを自分のものにしているという印象を強く受けた。フリーでは先を見据えてどんなジャンプをどう組み込んでくるのか。結果はもちろん、内容も注目されそうだ。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

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2019年10月27日のニュース