陸上 鉄剤注射「原則禁止」へ…違反しても罰則なし

[ 2018年12月21日 05:30 ]

記者会見する陸連の尾県専務理事(右)と山沢医事委員長
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 貧血治療用の鉄剤注射を競技力向上のために一部の高校が取り入れている問題を受け、日本陸連は20日、来春をめどに鉄剤注射を「原則禁止」とする指針を策定すると発表した。医学的見地から必要な場合は医師の判断で使用可能とする。違反しても罰則は設けない。記者会見した尾県貢専務理事は「(鉄剤注射は)ドーピングに近い行為。社会では認められない」と訴えた。

 23日に行われる全国高校駅伝の監督会議で来年から血液検査の結果報告を求めることを通達するほか、鉄剤注射の有無などに関する申告書を提出させることも検討している。検査費用は日本陸連が負担する。

 鉄剤注射は血中で酸素を運ぶヘモグロビンを増やすため持久力向上の効果がある。ただ鉄が体内に沈着すると健康に悪影響を及ぼすこともあるといい、日本陸連は治療以外で使わないよう文書などで対策をとってきたが、一部で持久力向上目的の使用が続いているとの情報があり、より強い姿勢を打ち出すことにした。尾県専務理事は「さまざまな対策を立てることで根絶したいと考えている」と強い口調で語った。

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2018年12月21日のニュース