錦織 杉田と日本人対決 いつになく緊張もエースの貫録でストレート勝ち

[ 2018年10月2日 05:30 ]

男子テニス 楽天ジャパン・オープン ( 2018年10月1日    調布市武蔵野の森総合スポーツプラザ )

第1セット、懸命にボールを拾う錦織(撮影・吉田 剛)
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 シングルス1回戦で、世界ランキング12位で第3シードの錦織圭(28=日清食品)は、110位の杉田祐一(30=三菱電機)を6―4、6―1で退けた。12年大会の添田豪戦以来となる日本人対決だったが、エースの貫禄を見せてストレート勝ち。4年ぶり3度目の大会制覇を目指し、2回戦では世界63位の難敵ブノワ・ペール(29=フランス)と対戦する。

 初戦を迎えた錦織はいつになく緊張していたという。「最初はどうなるかと思ってプレーしていた」と自分でも驚くほど硬かった。その理由がなんとも錦織らしい。「友達とあまり勝ち負けをつけたくない。スポーツ選手らしくないけど、それは少しある」と優しげな理由を明かした。

 杉田との初対決は、プロでは6年ぶり4度目となる日本人対決だった。加えて自国開催トーナメントへの出場は2年ぶり。「いいプレーを見せたい」という気負いもあって、出だしはミスが早く、何度もブレークのピンチを招いた。

 それでも6年前の添田戦を思い出しながら「なるべくポジティブでいるように心掛けた」と対処法を探り出した。第2セットに入ると動きの軽さ、ショットの鋭さが復活。デ杯日本代表を支えた杉田に対し、エースとしての一日の長を示した。

 女子の大坂なおみ(日清食品)と両輪で日本テニス界をけん引するが、錦織の存在感はやはりひときわ大きい。前日に日本男子5人目のツアー優勝を果たした西岡には先輩として助言も送っていた。「決勝で戦うという気持ちより、エルベール(西岡の相手)と戦うことだけを考えて頑張って」とツアー初の決勝に臨む心構えをメールした。

 「他の人を考えてる余裕はない」と言うものの、第一人者としての自覚がそんな行動にも表れている。「早く世界1位になって、なおみちゃんの方が有名になってくれるともう少しフリーになれるかな」と冗談めかし、「なおみちゃん頑張って!」とエールを送ったが、まだしばらく大黒柱は錦織以外にいなそうだ。(雨宮 圭吾)

 ▼杉田祐一 序盤のチャンスを取り切れなかった。ああいう場面で今季はずっといいプレーができていない。(第1セット序盤の3本のブレークポイントを生かせずに反省。ランクは100位圏外に転落)

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2018年10月2日のニュース