稀勢の里 充実の出稽古 「いろいろ考えながら」阿武咲と13番10勝

[ 2018年9月2日 12:31 ]

阿武咲(右)と三番稽古を行った稀勢の里(撮影・佐藤博之)
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 左大胸筋の負傷などで8場所連続休場中の横綱・稀勢の里(32=田子ノ浦部屋)が2日、千葉県習志野市の阿武松部屋への出稽古で西前頭6枚目の阿武咲(22)と三番稽古を行った。阿武松部屋に出向くのは昨年6月以来。相手の激しい突き、押しを受け止めてから胸を合わせる相撲だけでなく、まわしにこだわらず体ごと前に出る取り口もあった。土俵際での逆転の突き落としもあり、13番取って10勝3敗だった。

 「元気がいいし、力をつけているから」との理由で阿武咲と稽古することを選択。稽古後は「なかなか稽古場で力を出して激しくやってくれる人がいないところで、(阿武咲は)しっかり力を出してくれる。いい相手。良かったですよ」と充実感を漂わせた。

 得意の左四つではなく、右を差しながら出て寄り切る場面もあり、「いろいろ考えながらやった」と説明した。1日は東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で入念に立ち合いの確認を行った。この日は「しっかりできたので、いいと思う。大丈夫」と立ち合いもしっくりきているようだった。

 久しぶりに横綱の胸を借りた阿武咲は「最高に楽しかった。独特の緊張感と(稀勢の里の)持っているオーラは、見ているより肌で感じるのが一番で、自分を成長させる。こうい経験をさせてもらって幸せ。いい稽古ができた」と部屋まで足を運んでくれた横綱に感謝した。立ち合いから一気に土俵外へ持っていく相撲もあったが、一方で稀勢の里の地力も体感した。「左はず(押し)が強かった。体が浮いた」と型にはまったときの力強さに驚いた様子だった。

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