錦織、初戦突破も「暑さ怖い」…男子で大会史上初の“酷暑休憩”

[ 2018年8月30日 05:30 ]

全米オープン第2日   男子シングルス1回戦 ( 2018年8月28日    ニューヨーク・ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター )

男子シングルス1回戦でマルテラーを破った錦織(共同)
Photo By 共同

 男子シングルス1回戦で第21シードの錦織圭(28=日清食品)が、マクシミリアン・マルテラー(23=ドイツ)を6―2、6―2、6―3で退け、ガエル・モンフィス(31=フランス)との2回戦に進出した。熱波到来で気温と湿度が上がり、試合中に休憩を設ける大会史上初の「酷暑ルール」が急きょ採用された。ナイトマッチとなった錦織は最悪の暑さを免れたものの、厳しい状況が想定される東京五輪への懸念を示した。

 試合開始は進行の遅れで3時間近く後ろ倒しになった。待たされはしたが、おかげで太陽はほぼ姿を消し、過酷な暑さが和らいだ。錦織は「ちょっとおかしな天候だった。みんな人間なので、この暑さでは大変」とホッとしたように振り返った。

 35度を超える気温に高い湿度。主催者は全豪オープンのような“エクストリーム・ヒート・ポリシー(酷暑対策)”をこの日の午後になって急きょ男子に適用した。すでにルールが決まっていた女子のように、第3セット終了後に10分の休憩を設けるという大会史上初の措置だった。

 ナイトマッチとなった錦織は幸運にもこの影響を受けなかったが、それでも汗だくになりながら新鋭のマルテラーを一蹴した。「リターンがさえていた」と相手の強力なサーブを封じ込め、「久しぶりに試合の中で感覚が戻ってきた」と上々のスタートを切った。

 熱中症になった選手もおり、途中棄権したマイエル(アルゼンチン)は「コート上では死ねない。そんなことのためにテニスはやっていない」と命の危険を訴えたほど。あまりに過酷なコンディションは、錦織に2年後への懸念も抱かせた。

 「暑さが怖い。一番怖い。楽しみにして見に来たお客さんが体調を崩すのが怖い」とホスト国の顔として不安な顔を見せた。今年の暑さを考えれば、東京五輪はもっと激烈な環境となる可能性も十分。東京五輪での酷暑対策導入もすでに一案としては挙がっており、今大会の状況は錦織にも、日本にとっても人ごとでは済まない。

続きを表示

2018年8月30日のニュース