比菜が初V!初日から首位キープ“黄金世代”今季一番乗り

[ 2018年4月30日 05:30 ]

女子ゴルフツアー サイバーエージェント・レディース最終日 ( 2018年4月29日    静岡県 グランフィールズCC 6515ヤード、パー72 )

優勝した新垣はトロフィーを掲げる
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 女子プロ“黄金世代”の一人、新垣比菜(19=ダイキン工業)が初優勝を飾った。初日、2日目と首位をキープしての完全V。最終日は1バーディー、3ボギーの74と苦しみ、一時は昨年の賞金女王・鈴木愛(23=セールスフォース)に逆転を許したが、終盤競り勝った。元世界ランク1位の宮里藍さんが引退した昨年、プロテストに合格した“沖縄の星”が、新たな伝説へのスタートを切った。

 最終18番。50センチのウイニングパットを決めても、新垣の表情は変わらなかった。「あ、やったという感じ」。帽子のつばに手を当て、ギャラリーに一礼。だが、同じ年の勝ら4人が涙を流しながら駆けよると、やっと目に涙が浮かんできた。“黄金世代”と呼ばれるルーキーの中、今季一番乗りの優勝だ。

 「まさか(1年目の)今年に優勝できるとは思っていなかった。ビックリ。夢がかないました」

 苦しんだ末の初Vだった。2位と3打差でスタート。3番で3パットのボギーを叩くと、後半も波に乗れない。10、11番とティーショットを連続で池に入れてボギー。「心臓が痛くて。体も動かなかった」と、一時は鈴木に首位を譲った。それでも、15番でピンまで80ヤードの第2打を3メートルに寄せてバーディーを奪い、「まだ諦めない方がいいかも」。17、18番と鈴木がボギーを叩く中、パーセーブ。「耐えることができた」と胸を張った。

 自らを「緊張しやすいタイプ」と称する。最終日に崩れる傾向があり、ラウンド前の練習グリーンでは勝に声を掛けた。「緊張したらどうしたらいいかなぁ」。すると「水を飲んだり、何かを食べたりするといいよ」と返ってきた。だがラウンドではそんなそぶりは見せず。「忘れてしまって。あ、でも深呼吸はしました」と、天然ぶりも披露した。

 父の博昭さん(56)と二人三脚で歩んできた。中学では父がコーチを務める名護市のエナジックゴルフアカデミーで練習に打ち込んだ。往復3時間の送迎は父の担当。昨年まで博昭さんがキャディーも務めたが、12月のファイナルQTではクラブを置き忘れて2罰打を受けたこともある。そのQTは45位に終わり、出場試合が限られた中での優勝。プロ転向後は自立のためにハウスキャディーを起用したことも成長につながり、自らの手で来季までのシード権を勝ち取った。

 今後の目標を尋ねられた新垣は、きっぱりと口にした。「いずれは五輪や全米女子オープンに出たい。メダルとかいい結果を出したい」。宮里藍さんが引退した2017年にプロとなった、新たな沖縄のヒロイン候補。この勝利は、夢への第一歩にすぎない。

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2018年4月30日のニュース